ICHIROYAのブログ

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NHKスペシャル『超常現象 科学者たちの挑戦』は『アンビリーバブル』!

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 久しぶりにワクワクした。NHKスペシャルの『超常現象 科学者たちの挑戦』だ。
 土曜日(3月22日)に放送された。今日、再放送もある。

 わざわざNHKがやるぐらいだから、超常現象に対する新しい科学的な知見が含まれているに違いない。
 そして、見終わったあと、おお、そうか、科学はついに『超常現象』の存在をフォーマルに認めるようになり、ノーベル賞受賞者などの凄い科学者たちもそれに本気で取り組む気になったか。
 生まれ変わりも、テレパシーも、やっぱり、あるんだ!

 と、見終わったあと思った。
 しかし・・・

 世間の認識がそんなことになっているなら、欧米メディアも大騒動しているはずである。
 テレパシーについて、その存在証明ができているような流れになっているのなら、たくさんのちゃんとしたメディアに書かれていてもおかしくはない・・・と思って検索してみた。
 しかし、もちろん、そんなことにはなっておらず、NHKのこの番組でヒートしているのは、僕と、おそらく無批判にあの番組を見たご同輩だけに違いないということが、いまわかった。

 そもそも、ユリ・ゲラーが番組の最初に出てきて、スプーンを折る番組である。
 なんとか細胞の話ではないが、NHKですら、視聴率のためには、おおいにモルことに、すぐに気づくべきだった。
 
 ところで、番組の最後に出てきた『バーニングマン』に集まったひとたちの思念が、乱数をつくる装置に大きな影響を及ぼすという実験が面白かった。
 バーニングマンというのは、ネバダの砂漠に集まった何万人ものひとたちが、一切の外部との接触を絶って、1週間お互いに助けあって生きるというイベントである。(Wikiに詳しい
 そのイベントの最後に、象徴として真ん中に作られた人間の像を燃やして、フィナーレとするのだが、そのとき、その装置で生成される乱数が、数学的にはとんでもなく低い確率で偏るという。
 そして、それは、燃やされるバーニングマンに寄せられた、数万人の思念の結果ではないか、というのだ。

 この実験については、ネットでも読めた。(こちら
 こちらのページにはその実験に対する疑問のコメントがいくつか寄せられている。

 僕は今朝、これをじっくり読む時間はないのだが、やっぱりすっきりしない。

 そもそも、NHKが番組で取り上げたからと言って、その実験がどれほど、厳密で正確な方法でなされたものか、まったく不明である。
 その『思念』は、距離的に離れていても測定できるのか、あるいは、
現代のヒッピーのような、思索的なひとたちが、数万人集まって燃えるバーニングマンを見れば、その『思念』が合計されて数万倍になるのか。
 
もし、『思念』が乱数発生に何かの影響を与えるとしたら、それは実験者の『その実験結果を見たいという強烈な思念』であるかもしれないではないか。
 そして、そもそも、実験者は、自分で見たいものを自ら創りだしているだけではないのか。
 こんなに簡単な実験なら、ほかにも同じような結果が、たくさん得られてもよいはずだ。
 実験結果が明らかになってからからもう何ヶ月も経っている。
 誰も、追試をしていないのかろうか? 


 もし、番組が、「超常現象はある。それを科学が証明しつつある」ということをメッセージとして伝えたいならば、それぞれの実験に対する批判の声も含めて、科学がそれらにどんな位置づけを与えているのか、しっかりと伝える努力をするべきだろう。
 冒頭にユリ・ゲラーを紹介する姿勢が、そもそも間違っている。
 
 はるかに権威のある科学の分野で、これと同じようなことを目撃したばかりだ。しかも、それをマスコミがさんざん煽った。その直後に、NHKがまたこんな番組づくりをするのは、どうなんだろうか。

 まあ、あっても構わない。みんながそれで楽しめるなら。
 でも、せめて、タイトルは、

 『NHKスペシャル 奇跡体験!アンビリーバブル』

 
 とかにするべきだろう。
 

photo by Julia Wolf