離婚し家を失った女性が110万円で自作の家を建ててしまった話(アメリカ)
できそうで、やっぱりできなさそうで、結局はできないことって、世の中にはたくさんある。
たとえば、自分で家を建てること。
知人の高江さんはログハウスを建ててしまったが、それはもともと高江さんが職人さんでもあるということもあるし、熊のような体格だし、なんでも自分で調べてやってしまう一種の超人なので、聞けば、なるほどさもありなんという感じではある。
だけど、離婚してローンで買った家も失った女性が、ひとりで、「家」を建てたと聞くと、さすがに、驚く。
家の全景と、内部の写真、計5枚がこちらで見れる。
200フィート平方、つまり、約61㎡という小さな家ではあるけれど、バスルームも、キッチンも寝室もある本格的な「家」である。自分で建てたということから想像するような、山小屋的なものではない。
彼女は18か月かけて、この家を作った。
かかったお金は、わずか11,000ドル、約110万円である。
もっとも高くついたのは、トイレ部分。下水の配管をしたくなかったので、バイオトイレにしたのだが、建築基準をパスするためのテストなども必要で、かなりのお金がかかった。
彼女はもともと建築家で、家の設計はプロだったのだが、もちろん、大工さんの経験はないし、不器用だったという。
建築にあたって、もっとも困難だったのは、電気回りだった。
まったくの未経験だったので、本を読み、Youtubeでいろいろと調べて、自分で配線した。ただし、最後に、電気の専門家に見てもらい、ちゃんとできているか、安全か確認してもらったという。
僕ら日本人の感覚から言うと、61㎡の家というのは、家族構成によっては、格段に小さな家ということはないが、アメリカでは、相当小さいという認識のようで、記事では、小さな家の住み心地をいろいろと尋ねられている。
彼女自身も以前の家は、2500フィート平方、なんと約760㎡の家に住んでおり、4つの寝室と3つのバスルームがあったという。
もちろん、それに比べて、今の家は、物理的には小さなものだが、彼女はそれが狭いと感じることはない、という。
グレートデンも飼っているが、その犬は庭を走り回り、家の中にはいってくると、彼女のベッドに乗り、そこで一日の大半の時間を過ごす。そういう生活を、犬も彼女も楽しんでいる様子だ。
彼女は言う。
そんなこと無理だっていう人は多い。
でも、たくさんの人が、実際に、自分で家を建てている。
自分で家を建てれば、安くあがる。
それが自分に向いているか、じっくりと調べてみればいいのよ。
世間の常識には、ちょっと反するけど、生活のありかたは変化しているしね。
年末の気ぜわしいなか、いろんな意味で、インスパイアされる話だった。
*元記事 Architect's Dream House: Less Than 200 Square Feet
*すみません~写真は記事とは無関係です。僕の空想上のDo It Yourself スーパーウーマン!
photo by Neil Girling