ICHIROYAのブログ

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5人のペルー人孤児を養子に!( アメリカの底力 )


by The U.S. Army 

アメリカ、アメリカ、アメリカ。
いつも憧れのモノを生み出し、あるときは寛大で公平で思いやりに満ち、あるときは、鼻持ちならない上から目線で、自分勝手の極み、冷酷にも残酷にもなる。

もう10数年前のことだけど、嫁の留学時代の友人の家におじゃましたことがある。

その友人の旦那さんは、有名になる前からマイクロソフトの社員で、気がついたら億万長者になっていた。
プール付きの豪邸、当時はまだ高価だった大型の薄型のテレビがどかんとリビングルームに。
ちょっとオレの車に乗ってくれ、と言われて乗せてもらった車は、ウン百馬力のツーシーターオープン。ベンツだったか、ポルシェだったか忘れたけど、とにかく凄い車。
彼の携帯にかかってきた電話。相談の内容は、ある倉庫の会社に投資するかしないか。

ただし、ご飯は不味い。(奥さん、ごめんなさい!)
たとえば、メキシカン料理かなにかをレストランに食べに行ったら、残ったものは包んで持って帰る。
翌日の昼は、ちん!して、それ。
金持ちだろうと関係ない。食べるものは3種類しかない。
どぎつく甘いもの、脂でいっぱいのもの、簡単につくれるもの。

でも、感動したことがある。
彼と彼女(ふたりとも白人)には、すでに3人の子供がいた。
が、さらに、ふたり、浅黒く小さな男の子がいた。
そのふたりの子供は、ご夫妻が養子にとったのだった。

たしか虐待する親から引き離されたかなにかで、ちゃんとした親が必要な子供たちで、メキシコからひきとって育てているのだ。
もちろん、そんな不幸を背負った子供たちだ。
なにかと問題もあって、彼ら夫婦を悩ますことも多い、と聞いた。

自分たちの子供たちを育てあげるだけでも大仕事なのに、わざわざ、問題を起こしそうな子供たちを引き取って、育てようとする、その心意気。
先日、日本の養子縁組が難しい事情を、テレビで見たばかりだ。
 
アメリカの人たちは、ほんとうに、オープンマインドだ。
移民を受け入れ、努力したものには、アメリカン・ドリームを提供する。
拳銃を突きつけて、オレの言うとおりにしろ、と言いながら、一方では、肌の色の違う不幸な子どもたちを引き取って、その子たちの人生の労苦も背負ってみせる。


ところで、なんで、今、こんな話かというと、「5人のペルーの孤児を引き取ったアメリカ人夫妻のブログ」が話題になっていて、あのふたりを思い出したのだ。

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*Our Crazy Story

このご夫妻も、すでにふたりの子供がいるのに、5人もの小さな孤児たちをペルーから養子にとられた。
ご主人さんは教会の牧師さんのようだが、5人もの新たな人生を背負えるかどうか、かなり悩んだあと、宗教的確信を得て、養子縁組を決められたようである。
そして、そのふたりの決断を援助しようと、寄付も集まり、また、家には提供された食料品などが溢れかえっているよらしい。


嫁の知人夫妻は、たっぷりリッチになったから、そんなことができたのだろう、と思ったこともあった。
でも、この話を聞いて、わかった。
アメリカには、自分の誠意、宗教的な義務感に導かれるままに、不幸な子どもたちを養子として受け入れ、人生をともに生きていこうとする人たちが、多くいるのだ。
カネがあろうと、なかろうと。


オバマ大統領の二期目の就任演説が素晴らしかった、という。


「私たちは寛大なアメリカ、思いやり深いアメリカ、寛容なアメリカを信じています。この国の学校で学びこの国の旗に忠誠を誓う移民の娘に対して、彼女の夢に 対して寛大で思いやり深く寛容なアメリカを。シカゴのサウスサイドに住みながらもより広い世界を夢見る少年の夢に対しても。医者や科学者やエンジニアや起 業家や外交官や、あるいは大統領にもなりたいと夢見る、ノースカロライナの家具大工の子供に対しても。
それが、それが、私たちが望む未来です。それが、私たちが共有するビジョンです。それが、私たちの目指すべきところです。前へ。私たちはそういう未来を目指さなくてはならないのです。」


たんなる夢ものがたりではない。
たしかに、アメリカには、そういった希望を語る、資格はあるのだと、思えるのである。


(写真は、アメリカ軍提供。イラクの孤児院で。アメリカ軍からおもちゃをもらう孤児たち。アメリカのしていることをすべて物語っているような写真)