「ふるさと購買運動」と「おれたちゃ自立してるぜ運動」
日本でも、故郷で買おう、地元で買おうというような運動が活発になってきた。
地元で買えば、おカネは地元で落ちるし、地元の雇用の増加、税収のアップなど、様々な好影響を地元にもたらす。
だけで、もちろん、アマゾンの例を出すまでもなく、ネットで買ったほうが安い、便利だというものも多く、ついつい「地元のため」よりも、自分のためを優先してしまいがちだ。
日本の「ふるさとうんぬん」は、それぞれの自治体や地元商工会などが旗を振っているものが多いようだが、アメリカでおこなわれている同種の運動で、面白いものをみつけたので紹介したい。
その名前からして、かっこいい。
Independent We Stand
独立、そう俺たちは立っている!
みたいな感じ。
この団体が支援しているのは、地元の独立商店、小規模自営ビジネスで、チェーン店などは含まず、まさに、「自分の頭で考え、自分の足で、地域に根差して、自立している」事業主たちだ。
そして、その事業主たちが、地域に根差したビジネスを継続するだけでなく、地域でのさまざまなソーシャルな活動、たとえばボーイスカウトのリーダーであるとか、文化的な催しを開いたりすることを奨励している。
地元のひとに支えてもらうためには、地元のひとたちとの相互の深い絆が必要であることを提唱している。
たとえば、このほど2013年の優勝賞を発表したのだが、受賞したTrio Hardware & Paintという塗料や日曜大工材料のお店が地域の人たちから愛されているさまが凄い。 火事になったときは、地域のみんなが商品を運んで新しいお店に運んでくれたというし、同業のナショナルチェーンの巨人、ホームデポの出店を拒んだという。
お店のほうでも、地元の高校のロボティックスチームのスポンサーをしたり、毎年二人分の奨学金を出したり、リトルリーグやサッカーチームも支援している。
事業主が、この「Independent We Stand」に参加すると、このサイトにあるBuy Local Seach Engineに登録され、また、彼らが提供している無料アプリにも表示されるようになる。
そこまでは無料で、年間99ドル(約1万円)を払えば、検索とアプリで表示される店舗情報、商品情報をさらに詳細なものにできる。
地元の「リアル」な店舗で買おうという運動が、結局のところ、ネットに依存しているのが、ちょっと皮肉な状況でもある。
おそらく、日本人が「ふるさと」に感じるより、さらに、能動的な意味、高揚感をアメリカ人は「Independant」という言葉に感じるのだろう。
そして、日本人の僕にも、なんだか、「ふるさと購買運動」よりも、「Independent We Stand」のほうが、ずっと、痛快に思えるのだ。
ちなみに、今年、得票数が多かった10店のうち、2店は書店であった。
それと、つけくわえて書いておかないといけないことは、僕のビジネスは、「Independent」ではあっても、全国、全世界を対象とした商売なので、地域の人たちとの関係は薄い。
地域への貢献を、もっと考えないといけないなとも、思った。