最先端の人も実はわかっていない「インフォグラフィックス」の凄さとは
今日は、真面目な話。
で、たぶん、デザイナーさん、Web関係のひと、宣伝関係者、経営者の方に役立つ話。
「インフォグラフィックス(Infographics)」ってご存知だろうか?
海外のネットを見ていると、最近、下のような図表をよく見るようになった。
いったい、なんだろうな、と思っていたのだけど、これは、最近、急速に広まりだした「infographics」というもので、もともと、図表を使って、わかりやすく情報を伝える手法だったのだけど、最近、SNSの隆盛に従って、それが進歩した形で、どんどん使われているのだ。
たとえば、下の図は、Youtubeがいかに凄いかということをまとめたインフォグラフィックスだ。
この例のように、グラフとイラストと数値を簡潔な文とともにまとめて、伝えたい情報をコンパクトに伝えるものになっている。
数値については、必要な情報を簡潔に伝えるものが慎重に選ばれており、たいてい、最後尾に、引用元がまとめて記される。
このインフォグラフィックスもそうだったけど、それをSNSで共有しやすいように、コードなどが配布される(元ページ)
Source: The Economics of Going Viral
何が新しいの?とあなたは思うかもしれない。
でも、インフォグラフィックスの持つ、情報伝達力、ネット上のバイラルな効果に注目が集まっており、今、世界のネット空間で、インフォグラフィックスが急激に増加しているのだ。
たとえば、こちらなどを見れば、どんなインフォグラフィックスが作られているのか、たくさんの例を見ることができる。
ちょうど、インフォグラフィックスの絶大な力についてまとめた、インフォグラフィックスがあるので、ぜひ、こちらを味わっていただきたい。
ちなみに、このインフォグラフィックスの最後に、あなたが何分何秒留まっていたのか、示す時計がついている。
そして、それは、このインフォグラフィックスが提供する情報の全体像を理解するために、あなたが要した時間を示している。
ちなみに、こちらのインフォグラフィックスで紹介されている数字をいくつか訳しておく。
*ビジュアル化された情報が増えている
文学で 400% (1990~)
インターネットで 9900%(2007~)
新聞で 142%(1985~1994)
*人間がビジュアル情報に敏感な理由
脳のおよそ50%は視覚関係の処理に使われている
感覚受容器のおよそ70%は眼にある
0.1秒で見たものを理解できる
*シンボルを認識するのに150ミリ秒、その意味を認識するのにさらに100ミリ秒しかかからない
*インフォグラフィックスは情報の洪水から救ってくれる
我々は、1986年に比べて、5倍の情報を浴びている
我々の平均的な一日は、34Gバイト(もしくは100,500文字)の情報を消費している(除く仕事)
平均的なビジターの28%しか文章を読まない
*カラフルなビジュアルは80%も見る人の興味を高める
*薬の瓶のラベルに関する研究からわかったこと
文章だけの場合、理解されるのは、70%
絵と文章の場合は、95%
文章にイラストをつけると、その注意書きに従う率は、323%向上
*覚えやすい
人は聞いたことの10%を覚えている
人は読んだことの20%を覚えている
人は「見て」「した」ことの80%を覚えている
さて、古いようで新しいインフォグラフィックスの世界、わかっていただいただろうか。
つまり、情報過多の現代において、複雑化した、ある程度のかたまりの情報を届けたければ、長い文章よりも、図とイラスト、数値を一覧にまとめた、インフォグラフィックスのほうが、圧倒的に有利である、という話だ。
上のインフォグラフィックスのページを見て、上の数値を知って、僕も完璧に理解した。
忙しい現代人に、しかも多くの現代人に、ある情報を伝えるには、SNSとの相性が良い、インフォグラフィックスが、最高の武器になりうるのだ。
日本でもすでに、インフォグラフィックスの利用は始まっているが(たとえばこちら)、本当の意味で、インフォグラフィックスの凄さを知っている人はまだ少ない。
情報を伝えるのに苦労されている広報、宣伝、ソーシャルビジネスの方は、その研究、利用を急いだ方が良い。
また、デザイナーさんたちにとっても、新しい技術であり、いかに、「少ない面積」で「最大の情報」を盛り込み、「バイラル」にのせることができるかという、新しいチャレンジになると思う。
しかも、その効果は計測しやすいので、数をこなせば、技術的にもノウハウの蓄積も期待できるだろう。
そんなことは、全部知ってる、って?
あっ、失礼しました!(汗)