ICHIROYAのブログ

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エッセイやハウツー本にはない、「小説」を読む効用があることが明らかに!

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by » Zitona «

若いころはあれほど小説が好きだったのに、いつの頃からか、読まなくなった。
たぶん、社会人になって、自由になる時間が減り、短時間で結論、ハウツーが得たいと思うようになったからなのだろう。
その背後には、「小説」=「娯楽」という考えがあって、何かを学ぶなら、小説よりも別の形態のもののほうが、効率が良いと考えてしまっていた節がある。
たぶん、それは僕だけでなく、社会に出た多くの大人たち、日々の業務におわれ、たくさんの重荷をしょって歩み続けている仲間たちの多くが、そんな風に思って、小説から遠ざかっているのではないだろうか。

しかし、「小説を読む」という行為には、明らかな効用があることが、最近の研究で明らかになった。この研究成果のエッセンスを紹介したこのページによれば、

「小説を読むことで、ひとは、不確実性・不安定・あいまいさなどに対する許容度が高くなる。そして、その思考傾向は、クリエイティビティに良い効果をもたらす」

というのだ。
実験は、このように行われた。
学生100人をふたつのグループに分ける。
片方のグループには、短編小説を8編。片方のグループには、エッセイを8編、読ませる。エッセイは、もちろん、小説の作者に比肩しうる有名作家のものである。
読了後、いくつかの質問にイエスかノーかで答えてもらう。
「私は、不確実な状況が好きではない」とか「幾通りもの答え方のできる質問は嫌いだ」とか。
そして、その結果、あきらかに、上記のような傾向がみられたという。

研究者によれば、小説を読んでいる場合、その主人公を好きか嫌いかに関係なく、その視野や考え方を、無意識に受け入れて、その視点から世界をみている。
そういう読書のあり方が、読者をオープンな心持にし、不確実性やあいまいさをより受け入れることを可能にするのではないか、と推測される。

なるほど。
この研究結果は、たしかに、腑に落ちるものがある。
いろいろな境遇のひとびとの心を知るためには、評論家の書いたものより、当人の口から語られたもののほうが良いのは当然だ。
そのためには、ブログも良いけれど、うまく書かれた小説ならば、ブログよりもさらに深く、その人生や思想を知ること、体感することができるに違いない。

ブログを書き始めた影響もあって、最近、ときどき、小説を読んでいる。
そうか、小説は、しょせんは娯楽だから、とうしろめたくなる必要はないんだな。

もっと、小説を読もう。