ICHIROYAのブログ

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訪日外国人旅行者3000万人は可能か?

カジノに熱心な橋下市長が、訪日観光客を3000万人に増やすなら(現在800万人)、カジノ解禁しかない、と発言して話題になっている
僕はもともと、カジノ反対だし、そのために、絶対にカジノが必要というのであれば、3000万人もの観光客は要らないんじゃないか、と思っている。

もともと、日本を訪れる訪日観光客は少なく、お隣韓国が、去年1000万人を突破、2020年に2000万人を目標にしていることを考えれば、3000万人も、目標数値としては、突拍子もない数字ではないようにも思える。
なぜ3000万人が目標になったのか知らないけれど、韓国が2000万人なら、日本は3000万人ぐらいを目標にせなあかんやろ、ぐらいのノリだったんじゃないかと、勝手に推測している。

現在の外国人観光客の多いベスト10は、2009年のデーターで恐縮だけど、以下。

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フランスが7400万人とダントツに多い。
だけど、それは、フランスが、EUという豊かな国の真ん中にあり、イタリアやスペインと地続きで、イタリア・スペインなどと合わせて旅行する人が多いことなども、大きく影響している。
スペインやイタリアも、同様の理由があり、かつ、バカンスなどの習慣も影響しているのであろう。

この表では、中国が大きな数字になっており、一般的に、中国は5000万人などと言われているようだけど、この数字には、香港、マカオ、台湾からの観光客が含まれている。
それをのぞくと、2600万人(2007年)で、内訳は下記
それを考慮すると、なんとなくワカル数字ではある。


そもそも、外国人旅行客が多い国を、そうさせている一番大きな理由は、外国人旅行者をお迎えするおもてなしのマインドや観光資源ではなく、マーケットの近さ、大きさ、なのに違いない。
フランス人たちの人種差別意識は有名だし、いっぽう、日本人の親切さは世界でも折り紙つきだ。
だけど、外国人旅行者の数は、10倍近くも違う。
車で地続きでいけてしまうところと、飛行機で12時間とでは、勝負にならない。

以前から、日本は外国人旅行客をもっと誘致すべき、と思っていたけれど、いつの間にか、目標が3000万人に上げられ、そのためには、カジノ、などと言われると、3000万人が妥当な目標なのか、疑問に思えてきたので、ちょっと調べてみた。


1)中国を訪れる外国人旅行客数ベスト10

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     2007年、出典

2)アメリカを訪れる外国人旅行客数ベスト10

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     2012年、出典

3)イギリスを訪れる外国人旅行客数ベスト10

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      2009年、出典
 


4)日本を訪れる外国人旅行客数ベスト10

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      2012年推計値、出典


 こうして比較してみたら、外国人観光客の多い国は、いずれも、近隣の3~5カ国から300万人(もしくはそれ以上の)づつ程度の観光客を受け入れている。アメリカは顕著で、カナダ、メキシコからの観光客だけで3700万人になる。
 もし、日本が3000万人の外国人旅行者を受け入れたければ、韓国、中国、台湾、アメリカなどからは、いずれも、300万人を超える観光客を受けいれる必要があるのではないか。韓国、中国、台湾からは、現在の倍。アメリカからは、現在の3倍。
そして、その4カ国で1200万人。残り1800万人をそれ以外の東南アジアやヨーロッパから呼ばなければならない。

う~~ん。
2000万人は読めるかもしれないけれど、3000万人っていうのは、どうなのかな。
自民党の公約では、2030年に3000万人を目標とするとある。
国別の目標はあるのかな?


ほら、無理でしょ。
カジノでも作らない限り、絶対に、無理!
って、橋下市長は言ってるんですね。
そう言いたい気持ちはわかる。
でも、カジノをつくるより、目標を下げたほうが、いいんじゃないすかねえ!