誇りを持って、ただの「おばあちゃん」「おじいちゃん」になれ!
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2013/03/02
- メディア: DVD
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昨夜、テレビで見て、感動した実話。
貧しい家庭で育ち、ウェイトレスだったベティ・アン。
兄が殺人の罪で終身刑を宣告される。
冤罪を確信したベティは、訴訟費用もなく、途方にくれるが、自ら弁護士になって兄を救うことを決意する。
想像を絶する努力の末、18年後、彼女と兄は無実を獲得する。
そんな素晴らしいことを、成し遂げるひとが実在する、というのは、まったく嬉しいことだ。
でも、この話しの肝は、それを成し遂げたあとの、ベティ・アンの身の振り方にある。
彼女はその後、弁護士をあっさり辞めて、故郷に返り、パブのマネージャーになっているのだ。
この話は、もちろん、アメリカでは話題になり、2010年に映画にもなっている。
「Conviction(邦題:ディア・ブラザー)」
日本では劇場公開されず、ビデオのみ発売されたようだ。
もちろん、多額の賠償金を得たという事情もあろう(たしか、TVでは、6億とか9億とか紹介していた)。
だけど、おそらく、それがなくとも、彼女は、その道を選んでいたのではないか、と思うのだ。
New York Timesの記事をみると、彼女は言っている。
おばあちゃんに、なりたいだけなの!
そのヒーローは、18年もの苦闘の末兄を救い、自身の物語がハリウッドで映画化されて、お金もたくさん手にしたのに、周囲のひとたちは、ベティがちっとも変わらない、
あいかわらず、家族のために、ミートボールやアップルパイをつくるのが大好きなの、と驚いている。
僕の頭では、話の顛末は、当然こうなる。
そして、ベティさんは、日夜、弁護士活動を続けている。
ひとりでも多くの、兄のような、冤罪被害者を救うために。
でも、彼女は言うのだ。
おばあちゃんに、なりたいだけなの!
なんてカッコイイひとなんだ。
まったく、背筋に震えが走る!
超人的な努力も、成功も、お金も、名声も、彼女にとっては、大きな意味はない。
彼女にとっては、
ただ、おばあちゃんになって、家族に囲まれていること
パブで笑って、お客さんとバカ話をすること
それこそが、何よりも、価値のあることなのだ。
そして、そういう彼女の姿勢は、
冤罪被害者を救うことと同じように、
毎日の何気ない生活を過ごす幾億人の人たちに、
明るくポジティブな素晴らしいメッセージになっているのだ。
ああ、そうだ。
たしかに、「何者」にもなれなくても、ただのおじいちゃんであっても、
人生は素晴らしい!