ICHIROYAのブログ

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ギャンブル必勝法と建設国債の日銀購入


by conorwithonen 

有名なギャンブル必勝法に、こういうものがある。

「ルーレットの赤と黒のように、勝率が1/2の賭けに、100円賭ける。もし、負けたら、負けた分の100円と新たな掛金の100円の合計200円賭ける。勝てば、負けた分も回収できる。もし負けたら、さらに倍の400円賭ける。これを繰り返していけば、絶対に負けることはない。ただし、そのためには、賭け続ける資金が必要だ。」

なるほど。
たしかにそうだ。
だが、倍、倍にしていくと、相当な資金が必要なんだろうな。
それにしても、金持ちは、やっぱり、絶対に稼ぐことができるんだなと、それを聞いたとき妙に納得した。

しかし、今朝、記事を書こうとして、この話の実現可能性を考えていて、迷路に入り込んでしまった。


もし、この必勝法を実際にやるとする。
たとえば、ラスベガスのカジノに行って、ルーレットに賭ける。
ルーレットに刻まれた数字は、赤と黒に塗り分けられた1から36まで。
さらに、胴元がとる0と00がある。

さて、1000円を黒に賭けるとする。

1000円儲かる可能性は、

18 ÷ 38 = 0.474 ( 47% )

負けたとして、今度は2000円賭ける。
今度も勝ち負けの可能性は同じで、47%。
しかし、今度も負ける可能性は、

0.526 x 0.526 = 0.277 ( 28% )

 

この調子で9回続けて赤が出て負け続けたとする。

1,000円 x ( 2x2x2x2x2x2x2x2x2 )= 256,000円

の損をしているので、10回目は、512,000円  賭ける。



ここで、僕は頭がこんがらがってわからなくなった。

賭け手から見ると、続けて9回赤が出る可能性は、

0.52x0.52x0.52x0.52x0.52x0.52x0.52x0.52x0.52 =0.003 ( 0.3% )


に過ぎずない。

ここまでで勝っている可能性は99.7%
になるはずである。
もちろん、勝っていると言っても、この方式でいくと、いくら金額が上がっても、勝ちは1000円に過ぎない
だが、賭金を512,000円用意すれば、99.7%の確率で勝てる賭けがある、ということになる。

なるような、気がする。

もちろん、負け続けると賭金は大きくなっていき、安全を見て、20回となると、

5億2千428万8千円

を用意する必要がある。(20回続けて赤がでる可能性は0.03%)


しかし、この方式を胴元から見たら、どうだろう。

それぞれの賭けは、それまでの経緯がどうであろうと、同じ確率で、赤黒、0、00が出る。
つまり、経緯にかかわらず、勝率は常に

20 ÷ 38 = 0.526 ( 53% )

であり、 十分な数の賭けが行われれば、確率的には必ず儲かることになる。


ということは、もし、あるカジノのルーレットに、この必勝法だけを実行する賭け手がおしかけて、このやり方だけをやったら、いったいどういうことになるのであろうか。
いざというときのために、5億用意した賭け手が、何百人も、儲け1000円の賭けを、ちびちびと着実にやったら、果たして、賭け手は、みんな、儲かるのであろうか。
それとも、カジノ側が、期待値通り、儲かるのであろうか。


ああ、わからない。
たぶん、どこかで、確率の考え方を間違えている。
この必勝法を説明して、銀行から5億円の融資を受けるには、自信がない。
自信がないから、人生を賭けることはできない。

ともかく、
やっぱり、博打は嫌いだ。

安倍首相は、建設国債を発行して、日銀に直接購入させるという。
歴史的に見れば、それが、ハイパーインフレにいたる破滅の道であることは間違いない。
しかし、いま、アメリカもEUも、それぞれのお札をがんがん刷って、その価値を薄める競争をしている。
日本だけが、イイコちゃんにしていたら、さらに円高がすすむこと必定である。
かといって、歴史の教訓は重く、大方の識者は、その方法を禁じ手としている。
このまま自民党が政権に復帰したら、安倍首相はいま言っている通りのことをやりかねない。

全国民を巻き添えにする、大博打である。
公共事業がエンジンとなって景気回復するのか、
ハイパーインフレの破滅か。


ああ、わからない。
たぶん、どこかで、考え方を間違えている。

お願いだから、博打だけはやめてくれ。

博打は大嫌いなんだ。