ICHIROYAのブログ

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「自分なりに」は「世間知らず」と同意。奇跡の札幌東急百貨店!

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「そこまでやるかと言われて普通」
このセリフは僕が敬愛する百貨店時代の鬼上司のFさんのポリシーだった。

そこまでやるかと言われて普通 - ICHIROYAのブログ

 
 そのFさんのもと、たしかに死ぬほど働いたのが、催事担当の企画課長だったときだった。
あの時代ほど、働きに働き、いろんなことに挑戦し、成長させてもらったときはなかった。
Fさんの教えどおり、そこまでやるか、と言われるところまで、「自分なりに一生懸命やった」と思うのだ。

しかし、先日、竹職人・工房経営者で、大分竹細工業界の重鎮の高江さんのブログを読んでいて、ひっくり返った。 

 竹工芸職人の独り言 竹工房オンセ: 北海道の味覚

高江さんが、札幌の東急百貨店さんの「全国職人の技展」という催事に出品されたときのことを書いておられるのだけど、東急百貨店さんの出店者さんへの対応、催事を盛り上げる心意気が、まさに、「そこまでやるか!」なのである。

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竹工芸職人の独り言 竹工房オンセ: ホスピタリティ


 百貨店というのは、催事の出店担当者に上から目線で接するところが多い。
販売力の強く、伝統のある百貨店ほど、「出品させてやっている」というスタンスになりがちだ。(僕が務めていた当時の大丸梅田店は、強大な阪急さん、阪神さんに苦しめられる梅田の3番店で、とてもそんな感じではなかったけど) 
高江さんが、常々、ブログで、札幌東急さんだけは、まったく別で、社員のみんなが「よく来てくれました」という掛け値なしの気持ちで迎えてくれる、と書いておられた。
しかも、朝会も特別で、その朝会に出るのが楽しみで、 札幌東急さんに行くほどだ、とも。

そして、今回の高江さんのブログで、高江さんがそこまで書く意味がわかった。

「最終日の朝礼には、担当マネージャーの森谷さんが、先日の北海道マラソンに出場した時のユニフォームに着替え、みんなと「頑張ろう!」コール。」( ブログより )

ひょっとすると、百貨店にかかわりのない方には、このことの凄さはわからないかもしれない。

ちょうど、「担当マネージャーの森谷さん」のポストを、僕もやっていたのだ。

たしかめたわけではないが、写真で見る限り、女性のようだ。
催事出品者の気持ちを盛り上げるため、制服かスーツをかなぐり捨て、ユニフォームに着替えて出てきてみんなから笑いをとり、和気あいあいと「がんばろ!」コールの音頭をとったのだ。

まさに、そこまでやるか! である。

僕も自分で企画した催の朝会をすることがあったが、ついつい、注意事項の伝達や売上の話ばかりしていた。
それで良いと思っていたのだ。
出品者の皆さんの気持ちを、明るく前向きに盛り上げるために、何かに着替えて、などと考えたことがなかった。
たぶん、どこの百貨店の催事担当のマネージャーも、そこまで考えたことはなかっただろう。
高江さんが言うように、その心意気のベースに、ホスピタリティの気持ちがなければ、そして、そのためにはできることはなんでもする、という覚悟がなければ、到底そんなことは、思いつきもしないのだ。

負けた。
完敗である。

「自分なりに、一生懸命、そこまでやるか、と言われるほど、やっていた」 と思っていたけど、「自分なりに」とは、「世間知らず」と同意であった。


( 写真は 皆川月華の名古屋帯 レベルの違う仕事の真髄を見よ!

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