ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

★★★当ブログはじつはリサイクル/アンティーク着物屋のブログです。記事をお楽しみいただけましたら最高。いつか、着物が必要になった時に思い出していただければ、なお喜びます!お店はこちらになります。★★★


出島「ぺっぴん」きもの展***魅惑のアンティーク着物コレクション展 in 長崎

イチロウヤをご覧の皆様、アンティーク着物をお好きな皆様

ご案内させていただいておりました、長崎のアンティーク着物コレクターの田川様のアンティーク着物コレクション展に行ってまいりました。

これほどの数のアンティーク着物が一同に、しかもほとんどみんなトルソーに着付けてあり、あの良き時代の人々がどんなにおしゃれを楽しんだか・・・生き生きとしたカタチで見ることができました。

贅を尽くした着物と帯の数々は、時間も手間も惜しまずに1点1点作られており、デザインといい、手の仕事といい、遠くから見て圧倒!近くでみて感激!の連続でした。

3日間の開催期間で長崎市長やオランダ大使をはじめ 4百人ものお客さまが訪れたそうです。

今回はそのコレクションの一部をご紹介。今回ご紹介しきれなかったアイテムについてもまた後日お見せ出来ればと思っております。

 

f:id:yumejitsugen1:20170508070451j:plain

ひらり!牛若丸と弁慶

優雅な舟遊び図の裾引き

 

f:id:yumejitsugen1:20170508070706j:plain

あの昔話の舌切雀が、美しい染めのきものに

 

f:id:yumejitsugen1:20170508070811j:plain

雀の娘のなんとも可愛い着物姿

 

 

 

f:id:yumejitsugen1:20170508070924j:plain

SEASIDE・・・魚網にリアルな貝 スタイリッシュ

 

 

f:id:yumejitsugen1:20170508070900j:plain

そうです、海辺ですので 浦島太郎の帯です

 

ack of Urashima taro obi

f:id:yumejitsugen1:20170508071028j:plain

躍動感溢れるトビウオのアンティーク夏着物と 竜宮城帯 海辺のコーナー

 

 

f:id:yumejitsugen1:20170508071238j:plain

艶やかな楊貴妃の着物に、帯も実はざくろとコウモリの大変凝ったもの

となりの中国の味わいの帯をあわせることも

 

f:id:yumejitsugen1:20170508071444j:plain

粋な 蜘蛛の巣模様の着物と帯 蝶と葉っぱが妖しさをくわえます

 

f:id:yumejitsugen1:20170508071602j:plain

遊びごころと贅を尽くしたきものたち

蓮の着物はよく見ると大ぶりの金魚が・・・ふとした動きで目に留まる高度なおしゃれ! 帯の鴨の目はガラスがはいっていて入場者の方々から驚きの声が

雷神と番傘模様、ヨットとかもめ 昔の方のおしゃれゴコロに頭がさがります

 

 

f:id:yumejitsugen1:20170508071932j:plain

こんなコーデで、女性たちが楽しげに闊歩していたのでしょう

後ろには長ーいこん棒も染められた 豆を投げられる鬼の姿が

 

f:id:yumejitsugen1:20170508072054j:plain

そうそうたる刺繍の帯たち 帆船はペンテと呼ばれる染めの帯

後ろにも果物とレースの帯が

 

f:id:yumejitsugen1:20170508072223j:plain

このオウムの帯は忘れられない帯

バラの着物と合わせていただき感激です

 

f:id:yumejitsugen1:20170508072329j:plain

またまた手の込んだ刺繍帯たち 切りビロードの手法も用いられています

 

f:id:yumejitsugen1:20170508072448j:plain

これだけは織の着物 出島ですのでやっぱりチューリップのコーディネート

 

f:id:yumejitsugen1:20170508072546j:plain

アール・デコのコーディネートのコーナー 帯留めにはアコーディオンが!

f:id:yumejitsugen1:20170508072720j:plain

レアな戦争のモチーフ 帯には平和を願い鳩がいます

幻のオリンピックの開催を願って作られたと思われる帯です

f:id:yumejitsugen1:20170508072837j:plain

これをアートと言わずして、なんといいましょうか

 

f:id:yumejitsugen1:20170508072945j:plain

コーディネートにはタイトルがちゃんとついています

お正月には駒と羽子板がつきもの!

 

f:id:yumejitsugen1:20170508073123j:plain

一番印象的なタイトル「半玉さんの恋」

幼く可愛い少女がこの着物を着ているところが目に浮かぶようです

 

***そして このコレクション展を可能にしたのがこの中央のきものーーー大胆な構図の「南蛮渡来図」の振り袖です。この着物こそ長崎にあるべき着物、そして長崎の方々に見ていただきたいという熱い思いからこの出島でのコレクション展が実現したという経緯があります。

f:id:yumejitsugen1:20170512164456j:plain

そして左右の孔雀の着物はそれぞれ出処は違いますが、見つけてくださった田川様のおかげでこうやって揃って圧巻の展示となりました。緑の方は振袖で石楠花があしらわれ、飛騨市のオレンジの着物(こちらは訪問着)菊です。いわば春と秋のモチーフで作られたほぼ同じ構図の姉妹たち。何年も別の場所にいたものがここで会することになりました。

こんな着物があったなんてと 新鮮な驚きのお客様も多数いらっしゃいました。

これまでたくさん着物をみてきましたが、あの独特の良き時代の着物たちが こんなにいきいきとーーおしゃれを競っていた女性たちの楽しそうな声が聞こえてきそうなーー躍動感溢れる感激のコレクション展を開催してくださったことに感謝しつくせません。

レアなアンティークの 本やウェブ上だけでは感じられない「本物」の迫力にふれることのできた貴重なコレクション展、またの開催を望んでやみません。