出島「ぺっぴん」きもの展***魅惑のアンティーク着物コレクション展 in 長崎
イチロウヤをご覧の皆様、アンティーク着物をお好きな皆様
ご案内させていただいておりました、長崎のアンティーク着物コレクターの田川様のアンティーク着物コレクション展に行ってまいりました。
これほどの数のアンティーク着物が一同に、しかもほとんどみんなトルソーに着付けてあり、あの良き時代の人々がどんなにおしゃれを楽しんだか・・・生き生きとしたカタチで見ることができました。
贅を尽くした着物と帯の数々は、時間も手間も惜しまずに1点1点作られており、デザインといい、手の仕事といい、遠くから見て圧倒!近くでみて感激!の連続でした。
3日間の開催期間で長崎市長やオランダ大使をはじめ 4百人ものお客さまが訪れたそうです。
今回はそのコレクションの一部をご紹介。今回ご紹介しきれなかったアイテムについてもまた後日お見せ出来ればと思っております。
ひらり!牛若丸と弁慶
優雅な舟遊び図の裾引き
あの昔話の舌切雀が、美しい染めのきものに
雀の娘のなんとも可愛い着物姿
SEASIDE・・・魚網にリアルな貝 スタイリッシュ
そうです、海辺ですので 浦島太郎の帯です
ack of Urashima taro obi
躍動感溢れるトビウオのアンティーク夏着物と 竜宮城帯 海辺のコーナー
艶やかな楊貴妃の着物に、帯も実はざくろとコウモリの大変凝ったもの
となりの中国の味わいの帯をあわせることも
粋な 蜘蛛の巣模様の着物と帯 蝶と葉っぱが妖しさをくわえます
遊びごころと贅を尽くしたきものたち
蓮の着物はよく見ると大ぶりの金魚が・・・ふとした動きで目に留まる高度なおしゃれ! 帯の鴨の目はガラスがはいっていて入場者の方々から驚きの声が
雷神と番傘模様、ヨットとかもめ 昔の方のおしゃれゴコロに頭がさがります
こんなコーデで、女性たちが楽しげに闊歩していたのでしょう
後ろには長ーいこん棒も染められた 豆を投げられる鬼の姿が
そうそうたる刺繍の帯たち 帆船はペンテと呼ばれる染めの帯
後ろにも果物とレースの帯が
このオウムの帯は忘れられない帯
バラの着物と合わせていただき感激です
またまた手の込んだ刺繍帯たち 切りビロードの手法も用いられています
これだけは織の着物 出島ですのでやっぱりチューリップのコーディネート
アール・デコのコーディネートのコーナー 帯留めにはアコーディオンが!
レアな戦争のモチーフ 帯には平和を願い鳩がいます
幻のオリンピックの開催を願って作られたと思われる帯です
これをアートと言わずして、なんといいましょうか
コーディネートにはタイトルがちゃんとついています
お正月には駒と羽子板がつきもの!
一番印象的なタイトル「半玉さんの恋」
幼く可愛い少女がこの着物を着ているところが目に浮かぶようです
***そして このコレクション展を可能にしたのがこの中央のきものーーー大胆な構図の「南蛮渡来図」の振り袖です。この着物こそ長崎にあるべき着物、そして長崎の方々に見ていただきたいという熱い思いからこの出島でのコレクション展が実現したという経緯があります。
そして左右の孔雀の着物はそれぞれ出処は違いますが、見つけてくださった田川様のおかげでこうやって揃って圧巻の展示となりました。緑の方は振袖で石楠花があしらわれ、飛騨市のオレンジの着物(こちらは訪問着)菊です。いわば春と秋のモチーフで作られたほぼ同じ構図の姉妹たち。何年も別の場所にいたものがここで会することになりました。
こんな着物があったなんてと 新鮮な驚きのお客様も多数いらっしゃいました。
これまでたくさん着物をみてきましたが、あの独特の良き時代の着物たちが こんなにいきいきとーーおしゃれを競っていた女性たちの楽しそうな声が聞こえてきそうなーー躍動感溢れる感激のコレクション展を開催してくださったことに感謝しつくせません。
レアなアンティークの 本やウェブ上だけでは感じられない「本物」の迫力にふれることのできた貴重なコレクション展、またの開催を望んでやみません。