ICHIROYAのブログ

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娘、披露宴でオオコケ演じる (蛙の子は蛙)

 

やっと、長女の結婚の儀式が、すべて終わった。
長い道のりであった。

1月 結納と教会での婚約式(大阪)
2月 入籍
6月 教会での結婚式(大阪)
11月 披露宴(富士吉田)

娘の仕事の都合やら、夫君のこだわりやら、縁担ぎのお日柄やら、嫁と娘の宗教上の都合やら、なにかと調整して、この長丁場となったのである。
夫君の実家は山梨県の富士吉田市で、夫君も富士吉田市の市役所で働いている。
僕のところは大阪だから、距離的にはかなり遠い。
式のたびに、親族やご友人が大阪と富士吉田のあいだを往復し、みなさんに多大なご苦労をおかけした。

しかし、ようやくすべての儀式も終わり、夫君のご親族が用意してくださった、新居も定まって、ほっとしている。
しかも、来年2月には、孫が生まれるらしい。

まったく、やっとこ、どっこいである。

ところで、披露宴の待ち時間に、富士吉田市の名物、「吉田うどん」を食べた。
その異質なうどん体験に、びっくりした。
「吉田うどん」の店では、注文を取りにきてくれない。
自分で、テーブルにおいてある注文票にチェックをいれて、レジまで自分で持っていくのである。
そして、その麺。
めちゃくちゃ、太く、めちゃめちゃ、硬い。
みなさん、「コシがある」とおっしゃるが、僕に言わせれば、それは「コシ」ではなく、硬く、コナコナしているだけで、麺というより、細長く白く固めた何かの物体である。
関西で讃岐うどんなどを食べてきた僕には、その違和感が大きく、箸がすすまない。
しかしもちろん、地元のひとは「吉田うどん」が大好きで、市内に何十店もあり、郷土の誇りである。(もちろん、僕の舌ほどあてにならぬものはなく、味にうるさい観光客の舌をもうならせているのかもしれない)
まったく、信じられない。


うどんひとつとっても、これである。
娘が嫁入りした富士吉田の地には、おそらく、大阪とは違うことが多くあるであろう。
親族のかたが、ほんとうに暖かく迎えいれてくれているので、心配はしていないが、富士吉田の風習を、ひとつひとつ受け入れて、いつか、うどんは、「吉田うどん」でないと!と言うようになって欲しいものだ。


ところで、男は人前で涙を見せるべきではないと決まっている
が、娘の結婚にあたっては、父親は、涙を見せても良い、という雰囲気がある。
それを周囲から、期待されているようでもある。
おおよそ1年にわたって、ちびちびと行われた結婚の儀式だったので、花嫁の父として、泣くタイミングがなかなかはかれなかった。

しかし、披露宴の最後。
夫君の両親とともに、立たされて、花束贈呈の場面となった。
スカイブルーのウェディングドレスを着た娘が、新婦に付き添われて、父母への感謝の気持ちを述べる。
娘は泣きながら、なにか読みあげている。
隣では、嫁がシクシクやっている。
スポットライトが眩しくて、僕はずっとうつむいていた。
もちろん、泣かなかった。
娘の話があと2時間も続けば、危なかったが。

なんとか乗り切って、花束贈呈の時となった。
新郎が僕ら夫婦の前に立ち、新婦が夫君のご両親の前に立つ。
そして、式のクライマックス。
司会が言う、「では、ここまで育ててくれた感謝の気持ちを込めて、ご両親への花束贈呈です!」

夫君が僕らに向かって、前進。
と、何を思ったか、娘は、夫君のご両親のもとへ真っ直ぐに行かず、斜めに踏み出して、僕の前にやってきた。

あほ!

かかりのひとが、ドレスの端を引っ張る。
僕も慌てて、「あっち!あっち!」と囁く。
しかし、あとの祭である。

このクライマックスの場面に、新婦は新郎のご両親を置き去りにして、僕ら夫婦に花束を渡そうとしてやってきた姿が、衆目の目に焼きついてしまった。

まったく、最後に、オオコケである。

そういえば、僕も結納式でオオコケを演じたのである。

やっぱり、蛙の子は蛙。

ははは!
蛙でも、蛙なりに、幸せになれよ!