Xさん、70才、オンナと仕事を両輪に、今日も元気!
photo by Thomas Szynkiewicz
Xさんは70才だ。
現役で、バリバリ仕事をしている。
Xさんの生きがいは、オンナと仕事である、という。
それが車の両輪で、どっちかひとつでは、生きていけないと。
2回結婚してたことがある、と聞いたから、現在は独身なのであろう。
たぶん。
白髪で真っ白だが、なかなかダンディな出で立ちで、若い頃は相当イワセタんだろうなと思わせる風貌である。
オンナが生きがいや、とXさんは公言する。
みんながいるところでも、冗談めかして、女性を口説く。
ぜったい、本気。
「飲み屋でいいオンナいたら、口説いてみて、すぐ行くで」
どこへ。
「相手がどう思ってるかわ知らんで。あかんでもそれだけのことや。とにかく行ってみる」
だから、どこへ。
「もう、あと何年かしかないから、好きなことする。好きなことできんようになったら、生きてる価値ないで」
それは同意。
いつお会いしても、顔色がよく、イキイキされている。
55歳の僕より絶対に元気だ。
70才とは思えない。
「ここにはええオンナおれへんけど、◯◯には最近、ええオンナおんねんで」
えっ、そのええオンナって、うちの次女では?
「めっちゃ、きれいやねん」
嫌な予感。
それが2ヶ月前。
そして、2日前、宴席で。
「和田くん、君のお嬢さん、めっちゃ、美人やな!」
それがなに。
「そやけど、ワシが、そういうとった言うたらあかんで」
なぜ?
「ワシがそういうとった言うたら、意識し出すで」
だから、なに?
「意識しだしたら、こっちのもんや」
最近、入籍したばかりですって。
「結婚?そんなん、何にもカンケーないわ」
たしかに、あなたには何もカンケーないはず。
「そやから、ぜったい、このことはいうたらあかんで」
世の中には、想像を絶する人がいる。
Xさん、70才。
オンナと仕事を両輪に、きっと、今日も元気だ。