本家のマクドナルドがやっちゃまった話 (副業をしてね、暖房はオフにして、食費もゼロで)
アメリカの本家マクドナルドがやっちまったなあ!と話題になっている。
まあ、揚げ足とりみたいな話だけど、アメリカの現状を表しているようで面白いので、紹介する。
マクドナルドがクルーに配った、「Practical Money Skills - Budget Journal」 という冊子。
従業員たちに、あなたのお金の使い方を考えましょうっていう、啓蒙を目的としたもので、それ自体は素晴らしいことだったんだけど、例として記入されている金額がまずかった。
誰かがあんまり考えもせずに記入したものが、そのまま印刷物になってしまったらしく、ひどいサンプルになっているのだ。
抗議を受ける前の実物がこちら。
月度予算例
月度収入
収入(仕事1) $1150
収入(仕事2) $ 955
その他収入 $ 0
月度収入計 $2060
月度支出
貯金 $ 100
家賃 $ 600
車 $ 150
車家の保険 $ 100
健康保険 $ 20
暖房 $ 0
電話 $ 100
電気 $ 90
そのほか $ 100
月度支出計 $1260
月度収支 $ 800
この記入例によると、
マクドナルドの従業員は、副業をして(仕事2で$955を得て)、何も食べず(支出に食費の項目がない)、暖房はつけず(暖房費 0)に暮らしてね
となる。
さすがに、まずい。
仕事1の収入1150ドルは、かなりリアルな数字らしく、このページなどによると、1週間フルタイム40時間働く平均的なマクドナルドの従業員の税引き後の月間給与は、1000ドルから1100ドルらしい。
で、ほかの仕事でも、稼いでね、というのが、本音なの?となる。
また、こちらのページにもあるように、アメリカの去年の平均家賃は、1048ドルで、家賃600ドルって、安すぎるし、そもそもマクドナルドが自社の従業員に提供している健康保険は、61ドル/月で、20ドルではない。
抗議を受けたマクドナルドは、「一般的な例を示しただけだ」と表明しているようだ。
そして、現在のリーフレットでは、暖房費の項目が、50ドルに修正されたらしい。
それにしても、揚げ足とり的な話題ではある。
ただ、多くの「言い間違え」や失言は、ホンネを表している、ということもある。
この一件も、いかにアメリカ社会を貧困が蝕んでいるのか、ということを如実に表しているような気がしてならない。
ああ、しかし、このニュース、朝に読んでも元気がでない。
で、こんな話を、お口直しに。
55 Customers 'Pay It Forward' for Next Car in Donut Line
アメリカのマサチューセッツでの先週の土曜日のこと。
ヘブンリードーナツっていうドーナツ店でのドライブスルーで、ある客が、次の客の分の代金まで払った。
見知らぬ前の客が、自分の分まで払ってくれたと知って喜んだ客が、次の客の分を払う。
そうして、55人(台)の客が、次々と、にっこりして、自分の分はタダ、そして、見知らぬ次の客の分を払っていったそうだ。
まあ、こうして、世の中、素敵なこともあるみたいだし。
今日も、がんばっていきましょう!