ICHIROYAのブログ

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「具体的な目標」を忘れてみよう。そして、代わりにこう考えよう!

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  いつだったか、誰からか、はっきり覚えていない。
 でも気がついたら、「具体的な目標を持て」「計測可能なゴールをイメージせよ」とずっと刷り込まれて生きてきたような気がする。

 あるアスリートは「オリンピックでメダルをとる」ことを目標に、長い年月を辛いトレーニングに費やす。
 あるランナーは「マラソンで3時間を切る」ことを目標に毎日走る。
 ある起業家は「上場する」ことを目標に、身体もココロも削って頑張る。
 ある学生は「東京大学」に受かることを目標に勉強する。
 あるブロガーは「月間50万PV」を目標に毎日ブログを更新する。
 
 そして、その具体的な目標が達成できたら、長い年月の努力が報われ、喜びの涙を流す。
 だが、達成できなかったら、自分の努力は無駄だったと思い、徒労感に苛まされ、悔し涙を流す。
 それが人生というものだと思っていた。

 何度か紹介したJames Clearさんのコラム「Forget About Setting Goals. Focus on This Instead.」(目標は忘れて、これにフォーカスせよ)を読んでいて、納得した。
 つまりフォーカスすべきは本当はそういった具体的な遠くの目標ではなく、システムであり、日々の小さな達成にある、ということだ。

 
 彼の言うシステムとはこういうことだ。

 ランナーやアスリートは、その目標よりも、毎日の練習を工夫してやったか、毎月の練習スケジュールを予定どおりこなしたか、それを心底楽しんでやれたか、ということにより注意をはらうべきだ。
 起業家は現在提供しているサービスの内容やマーケティングが十分に効果を発揮しているかどうかにより神経を使うべきだ。
 学生は、世界に開く自分の窓が、昨日より広くなったか、その学び方は効率的だったか確認するべきだ。
 ブロガーは予定通りの更新をすることができたか、自分の満足のいくものが書けたかということに喜びを見出すべきだ。 

 具体的な目標を完全に無視して、日々のシステムに注意を集中することで、もともとの目標は達成できるものか?
 できると思う、と彼は言う。

 具体的な目標というのは、もちろんあるべきだが、あまりにそれに縛られるとマイナス面がある。たとえば・・・

*具体的な目標は現在の幸せを損ねる

 「目標を立てる→達成する→幸せを感じる」ということが常態化すると、立てた目標(最終のものであれ、中間的なものであれ)に縛られて、「目標まであまりに遠い、中間の目標も達成できなかった→自分はダメな人間だ→幸せを感じられない」というループに入ってしまう。
 目標でなく、システム(日々の練習や学習など)に集中すれば、現在の瞬間をより楽しめるし、同時に進歩もできる。


*具体的な目標は真の目標と衝突する場合がある
 

 たとえば、マラソン3時間を目標に走ってきたランナーがそれをあるマラソンで達成したとする。
 そういった目標を立てたアマチュアランナーの多くは、その目標を達成すると走ることをやめてしまう。すでに「目標を達成した」と思い、モチベーションが続かないのだ。
 しかし、もともとそのアマチュアランナーの真の目的はなんだったんだろうか?
   
*具体的な目標はあなたがコントロールできないものをコントロールできるかのようにあなたのこころを支配する

 
 オリンピックのメダルに向けてどれだけのトレーニングをしても、ルールが変わるかもしれないし、競争相手が普通では考えられないほどの好調期にあるかもしれない。
 多くの目標は、実際のところは、自分ではコントロール不可能な範囲に設定されている。そして、それを本人が気づいていない場合も多い。

 
 さて、僕らはこのような「具体的な目標設定マインド」から抜けだしてどうすべきなのだろうか。Jamesさんは書いている。

 目標設定そのものが無駄だと言うことではない。だが、目標設定は、自分の成長をプランニングするときのために役立つもので、実際に成長・進歩を促すものは日々のシステムなのだ。
 目標はその方向を指し示し、短期的には成長の原動力ともなる。だが、よく考えられたシステムこそがほんとうの成長の鍵なのである。

 Fall In Love With Systems(システムを愛せ)

 
 あなたは、自分のシステムを愛してますか?

 

(追記)訳をはしょりすぎたかもしれませんが、Jamesさんが言っているのは、「努力するより楽しめ」ということではなく、「毎日、ちょっとづつ積み上げていくような努力の仕方、仕組みを工夫して、それを間違いなく続けていくことで、達成感を得るようにすれば、長い間続けることができて、結局、目標に近づくことができる、ということかと思います。紹介したほかの彼の記事を読んでいただくと、その趣旨がよくわかると思います~「頑張って、頑張って、傷ついてしまわないで!ゆっくりと、ちょっとずつ、でも決してやめなければ達成できる!

 

photo by Folkert Gorter