ペン先の細いスタイラスペンを巡る仁義なき戦い
僕はiPadミニのヘビーユーザーだ。
で何かをiPadにメモするときに指先で書くのだが、ペンが欲しくなって買いに行ったことがある。
画面に書き込むためのペンをスタイラスペンというのだが、スタイラスペンの売場に行くと、先の太いものばかりだった。
唯一先の細いものがあったのだけど、先に透明の円盤がついている。(こんな感じ)
結局、指で書くのとそんなに変わりがないような気がして買わずに帰ってきた。
そもそも、なぜスタイラスペンのペン先はあんなに太いのか。
どうやら最近のスマホやiPadは「静電容量式タッチパネル」という技術が使われているらしく、接触面から静電気が逃げる必要があり、そのためにある程度の接触面積がどうしても必要となるらしいのだ。
なるほど。(*追記あり)
しかし、やっぱり、細いペン先のスタイラスペンが欲しい。
と思っていたら、上の写真のようなスタイラスペンのプロジェクトをクラウドファンディングサイトKickstarterでみつけた。(プロジェクトのページはこちら)
このTruGlide Apexというスタイラスペンのペン先は、2.4mmだそうだ!
デザイン面もなかなかスタイリッシュだ。
下の写真をみると、いままでのスタイラスペンのペン先がいかに太いかがわかる。
面積で比べると、10%程度になっているのだ。
これが可能になるのは、ペンの中に電子回路と電池が仕組まれているからだ。(仕組みはよくわからないが・・w)
プロジェクトは人気で、26日を残して、目標の24、000ドルを大幅に上回る37,950ドル(約370万円)を集めてしまった。
39ドル+送料で買えたのだが、単体は売り切れ。ケースなどとのバンドルだとまだ予約することができる。
さて、このスタイラスペン、いいな~~と思って、現存の最細のスタイラスペンを調べてみたら、同じくKickstarterで支援者を募集していたこんなプロジェクトをみつけた。 ( Nota: The Ultrafine Tip Stylus for iPad + Android Tablets )
このプロジェクトは8月7日に1552人の支援者を集めて終了。
集めた金額も、目標40,000ドルに対して、79,822ドル(約790万円)と大成功だった。Gigazineさんもこのスタイラスペンを詳しく紹介されている(こちら)。
しかし・・・
このNotaというスタイラスペンのペン先は、3.7mmである。
技術の原理は同じようなものらしく、電子回路と電池を内蔵する。
そして、値段は同じく39ドルで、デザインはこんなかんじ。
うむ~~ペン先の細さ、デザインを考えると、どうみてもTruGlide Apexのほうが良さそうに思える。
まあ、当たり前といえば当たり前で、後に製品を出すほうが、より良いものになる。
しかし、同じKickstarterでこの製品が紹介されたのは、わずか2か月前のことである。
それがビジネスというものだと言えばそれまでだが、Notaの開発者と先にこちらに申し込んだひとが、ちょっと気の毒に思えてしまう・・・
まあ、どちらにせよ、スタイラスペンのペン先を細くする熾烈な競争は、今日も続いている。
そして、何年か先には、ボールペンと変わらぬ細さのスタイラスペンを、僕らが気軽に手にする日が来るのは確実なように思える。
日本のメーカーさんも、この分野で頑張ってほしいな!
*追記 NintendoDSはこれとは違う、感圧式タッチパネルが使われています。主に操作が簡単なものや低価格のものは感圧式、複雑な操作を要するものは静電式だそうです。