ICHIROYAのブログ

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『あのお店はなぜ消耗戦を抜け出せたのか ネット時代の老舗に学ぶ「戦わないマーケティング」』を読んで

 
 ひさしぶりにビジネス関連の本を読んだのだが、面白かった。
 著者は創業期から楽天におられた仲山進也さんという方で、楽天大学の学長で自ら仲山考材株式会社という会社を運営されている。
 「楽天市場41,000社の成長パートナーとして活躍中」というだけあって、EC(ネットショップ)市場の経過や現状をよく知る方ならではの内容で、とても参考になり、考えさせられた。

 著者もおっしゃっているように、現状のECは、より安く、より早く、より買いやすく、より多く、より多くの広告費をかけて、という消耗戦に入っている。消耗戦だから儲からないし、徒労感も大きい。消耗戦の先頭で戦っていても、アマゾンのようなより大きな資本がドンと入ってくれば、とたんにお手上げの状態になる。

 この本には、そういった消耗戦に巻き込まれないためにはどういう考え方をすればいいのか、また、実例としてはどんなものがあるのかが、丁寧に解説されている。
 楽天の関係者が書いた本ではあるけれど、その内容は。自社サイトをメインに運営する僕のようなものにも、とても参考になる内容だった。

 そのエッセンスを僕なりにまとめると、


1.アマゾンより「高くても」「遅くても」、それ以上のベネフィットをお客様に提供すれば売れる
2.それは、「その店が好きだから」「その人が好きだから」「その人が面白いから」「そこで開催されるイベントが楽しいから」「おなじような価値観の人と仲間であることを確認できるから」などという理由でお店のファンになってくれた人が、自分のこころの中に感じるベネフィットである
 
 要は、自分の強みを生かして、お客様にファンになってもらえるようなことを、しよう。それがすぐに売上につながらなくても、面倒くさくても。やがて、ファンが増えればお客様はその労力に応えてくれる、ということだ。

 そんなことが本当に可能なのかと思う方は、ぜひ、この本を読まれたら良いと思う。鮮度の良い豊富な実例が紹介されており、なるほど戦い方はあるのだなと思える。
 だいたい、ECをやっている人たちと話をすると、「大手と戦って生き残るのはたいへんですね」という話になる。
 たとえば、マーケットにアマゾンのような強力なプレイヤーが入ってきて、多くの中小プレイヤーは、強力プレイヤーに圧迫され、どんどんその隙間が減っていく感覚だ(X)。だが、この本で紹介されている実例では、大手と同じものを売りながらも大手に伍して売上を伸ばしている。(Y)

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 さて、この本を読んで、結局のところ、どんな商売もおなじで、「自分がお客様に提供できる価値は何かを考え抜く」「それがなければそれを磨く」そして「それを上手に工夫してお客様に提示する」ということが大事で、それは「多くのお客様の笑顔をゴールにした、長い長いマラソンのような道」なのだなと思った。
 
 具体的な話ではなくて申し訳ないが、気になったかたはぜひ、本をお読みください。絶対に損はないです!