ICHIROYAのブログ

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僕が声を大にして「どんなに忙しくても大好きなことをやめるな!」と言う理由

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 深く後悔していると書くと、またお叱りを受けそうだが、誰かの役に立つかもしれないので書く。
 
 僕はときどき、大学時代にやっていたアイスホッケーがしたくてたまらなくなる。
 そして、大学を卒業するときに、アイスホッケーから足を洗うと決めたことに、30年以上経った今、深く後悔しているのだ。

 卒業したとき、同学年のメンバーたちのほとんどは、「もうホッケーはやめる」とたしかに言っていた。
 あの時はみんな、ホッケー三昧になってしまった大学生活にウンザリしたいたのだと思う。体育会でもあり、楽しいことだけでもなかったので、アイスホッケーに対するアンビバレンスな感情が僕らを一層そういう風に思わせたのだと思う。
 しかし、10年振りぐらいに顔を合わせた時、ほんとうにやめていたのは僕ともうひとりだけで、あとの連中はそんな言葉はどこへやら、ちゃんとホッケーを楽しみ続けていたのだ。

 なぜあの時、僕がホッケーをやめようと思ったのかといえば、大学時代をホッケーに注ぎ込んでしまい、まったく先が見えなかったからだ。本来、大学時代に自分のキャリアの準備をし、卒業後にその道のキャリアを歩み出すべきものだと思う。
 僕はホッケーばかりしていたのでまったく自分のキャリアパスが描けておらず、卒業後はホッケーに費やす時間の余裕などない、早く自分の道を行かねばと焦っていた。

 ほんとうは、先が見えなくても、なんとか時間を捻出して続けるべきだったのだ。
 今でも無性にホッケーがしたくなる。ディフェンスを振りきって独走し、キーパーの肩口にシュート。ネットを揺らす。
 ゴール裏を回り、狙いすまして味方フォワードにパスを通す。相手はそれをうまく叩いてパックはキーパーの足の間を抜く。
 ヘボなプレーヤーだったが、というかヘボだったので、試合でほんの数えるほどだけあったそんなプレーのときの感触が、いまでも鮮やかに蘇る。

 この歳になると、やりたくても簡単にホッケーを再開することができない。
 大学時代に見たシニアのOBのプレーは、おおむね見られたものではなかった(すみません!)。
 僕もあの時見たOBの方々のように、まったく走れないだろう。
 卒業5年後ぐらいの時に、誘っていただいたのでOB戦に出た。走れないことは覚悟していたのだが、スティックが、つまり手が、頭の指示どうりに動かないことにびっくりした。そして、なんと、あまりのしんどさに、3ピリ開始そうそうリンクサイドに寝転んだらそのまま気を失って、気がついたらゲームは終わっていた。

 ホッケーを再開するためには、持久力などの基礎的な運動能力を取り戻すこと、スケーティング用の足を鍛え直すことが必要だが、そうしたからと言って、55才の身体が僕が思い描くように動くようになるのか、必要な瞬発力は取り戻すことができるのかわからない。
 しかも、練習には防具を揃え直すことはもちろん、仲間を募ってお金を出し合ってリンクを借りなければならない。
 いまさらOB顔して大学の練習に顔を出すわけにもいかないし、それこそ元気バリバリの社会人チームに参加するのも無理だ。
 
 残念ながら、やりたくても、アイスホッケーを再開することはできない。
 やるなら、僕のようにアイスホッケーをやめてしまったシニアを15人ぐらい関西で集まれば・・・やっぱり、無理だ。
 
 ともかく、僕は思う。
 ほんとうに好きなことは、たとえそれが自分のキャリアに無縁であっても、いかに仕事で忙しくても、時間を捻出して続けるべきだと。
 今から考えれば、僕だって、社会人のチームに入れて頂いてアイスホッケーを続けることはできた。もちろん、忙しい時期もあったので、練習・試合に100%参加というわけにはいかなかっただろうけど。
 細くても続けていれば、いつでもそれを楽しむことができる。
 やめてしまえば、僕のアイスホッケーのように、再開にはとてつもない困難が伴うようになってしまうのだ。
 
 この歳になって、痛感している。
 残念ながら、会社や組織は、いつか僕らを見捨ててしまうかもしれない。
 だが、大好きなこととその仲間は、いつも僕らのそばにいて僕らの心を休める場所になってくれるのだ。
 大好きなことを、僕らのほうから見捨てない限りは。
 いくら忙しくても、大好きなことはやめない方がよい。
 きっと、いつか後悔する。
 僕みたいに。

 
Photo from New Old Stock