「ブログの上にも半年?」「ブログの上にも3年?」いや「ブログの上にも9年」だ!
すでに神話のようになった説がある。
様々な分野でトップクラスの実績を残すひとは、ほぼ例外なく10,000時間にわたる努力の末にそこに到達しているという話だ。(たとえばこんなわかりやすいまとめ)
今朝、こんな記事をみつけて少し嬉しくなった。
Debunking the Myth of the 10,000-Hours Rule: What It Actually Takes to Reach Genius-Level Excellence(10,000時間ルールを巡る神話を覆す:実際に天才レベルに到達させるものはなにか)
この記事はEQ(心の知能指数)をひろめたダニエル・ゴールマン氏の近著『Focus』の要約と抜粋なのだが、10,000時間ルールを広めたエリクソン博士から得た知見などを元に、そのルールに関する誤解を指摘している。
記事の要約を一言で言うと、「10,000時間は必要だが、天才の域に達するひとたちは、その時間にかける集中力が異なる。たんに、練習を繰り返すだけではダメ。常に100%の集中力をもって練習し、より上手くやれるように常に努力する。アウトプットを客観的検証し、それを修正してより高いレベルに達するために何をすべきか常に考えて、次の練習、アウトプットをする。たとえば、運転を例にとれば、50時間も運転すればたいていの人は自分が思う通りに運転できるようになったと思い、あとは何時間乗っても無意識に運転できるので、それ以上上達しない。10,000時間は必要条件だが、十分条件ではない」
なるほど、と思った。
そして、記事にはこうも書いてあった。「ワールドクラスのチャンピオンは、それがウェイトリフター、ピアニスト、犬ぞりチームであれ、一日あたりの練習を4時間以内に限る傾向にある」
つまり、上記のようなフル・フォーカス状態の練習というのは、6時間も続けることができないということだ。
なんだか、凄く納得した。
一日あたり4時間をリミットに練習を続けたら、10,000時間に到達するまでに7年弱かかる。一日あたり3時間にすれば9年強である。
ただし、その時間はフル・フォーカスして練習に取り組み、その評価をできるだけ客観的にみる方法を組み込む。
そうすれば、その分野で天才と称せられる域に達することができるかもしれないのだ。
10,000時間の練習というと気が遠くなってしまうが、上記のように考えると、僕にはこの話は福音ではないかと思えてくる。
7年から9年で、トップクラスになれる可能性がある。もちろん、それもまた、必要十分条件ではないのかもしれないが、少なくとも高い可能性を感じることができるのだ。
一日3時間~4時間で、7年とか9年。その気になれば手の届く範囲ではないか。
そして、ひょっとして、ブログだって同じで、「ブログの上にも9年」と考えるべきではないかなと思った。じつは、密かに、「ブログの上にも3年」と思って書き続けてきた(いま2年弱)。あのちきりんさんだって、目が出るまでにたしか3年ぐらいかかったいたようだ、たぶん(違ってたらすみません)。
はてなブログで書いていると、半年とか、いや早いひとでは2,3ヶ月で人気化するひとが結構いる。それはそれなのだが、本当の意味で、つまり持続可能で、ネットのなかで一定の「望ましい」影響力をもてるブログにしようとすれば、やはり3年とかいう年月が必要になるのではないかと思うのだ。
僕にはあまり直視したくない現実だが、1日にあたりブログにかけている時間は、たぶん3時間ぐらいだ。3時間かけてこの貧弱なアウトプットかと言われそうだが、記事のネタ探しに1.5時間、書くのに1.5時間ぐらいかかることが多い。
かけれる時間は、昨日のワインの話ではないが、つきあいも酒もあきらめて捻出しており、これ以上は無理だ。そもそも稲盛さんなら、その時間を自社の経営改善につかわんか、馬鹿者!と言われるに決っている。
そして、その時間は必死で書いている。
ブログの良いところは、書いたものの客観的なフィードバックがすぐに得られることだ。良いもの、ひとのココロに刺さる記事は、光の早さで拡散していく(もちろん、ネガティブな意味で広がる場合もあるが・・)。
アマチュアの書き手というのは、プロのライターや記者とは違い、自分の書いたものを客観的に評価することが難しいと思うが、ブログの場合はプロたちと同じように評価が得られるところが素晴らしい。
記事のようなフル・フォーカスでかつフィードバック可能な書くことの訓練ができる場所でもあると思える。
3年と思っていたら、ゴールが9年に伸びてしまって、ちょっと、とほほではある。
だけど、やっぱり、朗報ではないか!
どんなことでも、このやりかたで、7年か9年、時間を捻出して常に工夫して続けさえすればいいのだ。
80年もある人生だ。計算上では、5つや6つの分野で、天才と言われることも不可能ではないのである!
photo by William Murphy