昔から発明家に憧れてきた。
世の中に存在しない新しい製品をつくり、人々の暮らしを良くして感謝され、なおかつ巨万の富を得ることができるかもしれない。
発明家は夢の職業だった。
だけどいつしか、技術は高度になり街の発明家たちの扱える範囲がどんどん小さくなり、かつての夢はしぼんでしまった。いまでは「発明家」と言えば酔狂な変人というイメージになってしまった。
でも、今また、発明家の時代かもしれないと思うのだ。
技術の進歩が速すぎてそれを人々の生活に活かす取り組みはその速度に追いついていない。
たとえば、最近みつけたこの素晴らしい発明はどうだ。
それはスマホのアプリで、スマホを視覚障がい者の杖にしようというものだ。
仕組みは簡単で、たとえば道に線をひいておく。スマホのカメラモードにして線をとらえる。そして、その線がスマホのフレームのなかで上下まっすぐにとらえられたとき、スマホが振動するのだ。
そう、このアプリとスマホが、点字ブロックを探る「杖」の役割をする。
ところで、街中の歩道に埋めてある点字ブロックも凄い発明で、しかもそれはそもそも日本人の発明である。
点字ブロックがすべてこのアプリで代替されることはないが、このアプリならではの利点もある。
点字ブロックのように埋め込まなくても、線を引くだけで良い。
QRコードを描いておけば、その地点に簡単に情報を張りつけておくことができる。地図と連動させたり、トイレの場所や障害物のインフォメーションをおいておくことができる。
発明者によれば、スマホの赤外線通信の機能を利用すれば、その線やQRコードを肉眼では見えないようにしておくことも可能だという。
素晴らしい発明ではないか!
それに、理屈を知ってしまうと、アイディアそのものは「超」のつく天才でなくても思いつきそうでもある。
このニュースを読んで、子どものころの発明家への憧れを思い出すのは、僕だけだろうか。
ひょっとしたら、僕にもあなたにも、ちょっとしたアイディアを思いついて世界をよくすることができるかもしれないのだ!