数年の間に、妻と娘ふたりと兄を失った男性がみつけたものは・・・
教師でテニスプロ。
奥様とは高校時代に知り合い、2人の娘を授かった。
絵に書いたような幸せな人生。
だが・・・
兄をアラスカの海難事故で失った。
ちょうど同じ頃、奥様がガンであることがわかる。
2年後、奥様はこの世を去る。
娘ふたりと再出発。
だが、数年後、娘ふたりと祖母の乗った車が大型トラックとの事故にあう。
3人とも亡くなってしまう。
テッドは、アルコールやドラッグ中毒患者たちを収容するクリニックに行く。
あまりの悲しみに生きる力を失っていたテッドは、幸い、アルコールともドラッグとも無縁だった。
そして、そこで自分の生きる道をみつける。
自分のように、大切な人を失い、深い悲しみに捉えられ、
I'm sad, I'm loss, I'm scared, I am frozen, I can't move forward
悲しくって、寂しくって、怖くて、凍りついたみたいで、前に進むことができないの
という人たちのためのサンクチュアリをつくるのだ。
自分の人生を、愛した人の喪失に悲しむ人たちのために、捧げて生きるのだ。
それは、自分自身の悲しみに向き合い、自分自身を癒やすことでもある。
そうして、テッドは、ニューメキシコの大自然の中にサンクチュアリをつくった。
そこに、喪失の深い悲しみのために立ちすくんでいる人々を受け入れている。
まさに、そこは、常に前へ勧め、競争に勝てという現代社会の狩人たちから逃れることのできる、サンクチュアリ(保護区)なのだ。
*テッドさんは2001年に、Golden Willow Retreatという非営利組織を立ち上げ、喪失の悲しみに苦しむ人たちのためのセラピー、カウンセリング、 教育、ワークショプなどを提供されています。今の奥さんのマルセラさんがその活動を支えておられるそうです。