ICHIROYAのブログ

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9歳の少女が株主総会でマクドナルドCEOにもの申した!

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 by moyerphotos

一昨日、阪急百貨店さんをブラブラしていたとき、かわいいぬいぐるみのコーナーが目にとまった。こちとら50を過ぎたおっさんなので、いくらかわいいからと言って、店でぬいぐるみを手に取って、まじまじと見つめるなどということは、おこりそうにない。そもそも、いつごろから、店頭でぬいぐるみを手にとるなどということをした覚えがない。孫ができて、じいじになったせいかもしれないが、それ以上に、そのぬいぐるみは、僕の引きつけて手に取らせる力をもっていたのだ。

つまり、なんというか、リアルなんである。まさに、その小さな動物たちの毛並みのなかには筋肉が詰まっていそうで、動き出しそうな気配すらあるのだ。でも、とにかく、細部までリアルに現実の動物を模倣されているのかというと、そうでもなく、デフォルメされすぎていない、でも、完全な模倣でもない、不思議なかわいらしさを持った、いままで見たことがない別世界のぬいぐるみがそこにあったのだ。

なるほど、値札を見たら、小さなものでも、1万数千円の値札がついており、西ドイツ製の表示がある。値段にも納得したのだけど、「西ドイツ製」とあるところに、興味を覚えた。そもそも、ぬいぐるみなどというものは、バングラディッシュなどのSweatshop(搾取工場)でつくられているもの、と思い込んでいたからだ。

じいじであり、かつ、商売人である僕は、このぬいぐるみで、犬をいっぱいつくったら、それもめちゃくちゃ売れるだろうな、と空想した。
何十種類の犬種の犬をつくり、それぞれ、色や表情や体型を少し変える。
そうしたら、僕のような白ラブの飼い主は、白ラブの中から、自分のラブに一番似たぬいぐるみを選べる、というわけだ。
知らないひとから見たらまったく同じに見える白のラブでも、飼い主からすれば、その表情は、かなり違う。
だけど、それぞれをオーダーメードでつくらなければならないほどではないので、ちょっとずつ変えたものが何種類かあれば、その中から、「自分のラブそっくりだ!」と思えるぬいぐるみがみつかると思うのだ。
たぶん、多くの愛犬家は、そのぬいぐるみに、1万数千円だったら、払う、と僕はみた。

で、興奮冷めやらぬまま、家に帰って、そのぬいぐるみの件を調べてみたら、西ドイツのケーセン社という会社がつくっており、知らぬは僕ばかりで、すでに、人気沸騰中なのであった。ネットでもたくさん販売されているが、たとえば、こちらのサイトにケーセン社のぬいぐるみの魅力については詳しく書かれている


ぬぐるみという、大昔から開拓されつくしたと思われる分野で、これほどのイノベーションが起きた、しかも、それを西ドイツで作っている。
それを知らなかった自分の不明を恥じるばかりだが、ともかく、最大限の感動を覚えた。


ところで、先週の木曜日、マクドナルドの年次株主総会で、ちょっと、おもしろいことが起きたようだ。
9歳の女の子が、最初にマイクをとって、CEOに向かって堂々と発言した。

「子供たちが、マックを食べたいって、思わせるようなこと、いつもいつもやってるけど、それ、やめてくれたら嬉しいんですけど」

もちろん、彼女が株主総会にひとりで出席したわけではなく、母親と市民活動家のグループの意見を、子供の口を借りて代弁させたわけである。
そのグループは、2年前から、キャラクターのドナルドを使うことをやめるように働きかけている。
子供たちをターゲットとしてマーケティング・宣伝活動を自粛せよ、と主張している。
今回の総会では、「
栄養と子供の肥満に対する影響を評価せよ」という提案を行い、6.3%の賛同しかえることができなかった。
だが、お母さんたちのブログの影響力を最大限にいかす取り組みをしており、ハッピーミールという子供向けのセットの内容を、変更させた実績ももあるのだ。

総会では、その後、男の子が出てきてマイクを握り、「ロナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティー」「マック・ケアー・ナイツ」などの慈善事業への取り組みなどを話して、CEOを擁護したという。

まあ、なにからなにまで、どうだかね、という話ではある。
マクドナルドがドナルドを引退させて、子供向けのマーケティングをすべて廃止したら、当然ながら、売り上げは落ちる。
ひとは美味しいものが食べたい、そして、美味しいものは、たいてい体に悪い。
企業は、美味しいものが食べたい人々の欲求にこたえようと、とことん努力する。
それが悪いことだ、となれば、資本主義は成り立たない。
だが、アメリカの人たちも気づき始めてはいるのだ。
資本主義を追求し、株主の利益を最大限にすることは、結局、弱者から略奪することにつながる、ということを。
マクドナルドの場合は、子供たちの健康・未来を、株価というおカネに変え、それを老人やお金持ちが、収奪している、という構図も、確かにある。(とくにアメリカの場合は)
せめて、子供の食生活に悪影響を与えるものの、子供向けの宣伝は、やめよう、という主張は、
荒唐無稽とは言い切れないのだ。


いつか、ドナルドが引退する日が来るかもしれない。
もちろん、それは、今すぐではないし、マクドナルドにそれを禁じるのであれば、ほかにも許されないことは、山ほどあるだろう。
そもそも、そういった部分だけを改善するのではなく、資本主義に代わる新しい思想が必要だ。
それがどういうものかは、まだ誰もわからないけど。

そう、そして、ケーセン社のぬいぐるみを見て、僕は、希望を感じたのだった。
ほんとうに、いつかそういう日が来るかもしれないと。

さあ、孫のいち乃の1歳の誕生日にでも、買ってやろかな・・・何がいいか、要連絡!

参照元 This 9-Year-Old Girl Told McDonald's CEO: Stop Tricking Kids