少し前の3Dプリンターの話に続いて、ウンチの話である。
誤解しないでいただきたいが、それになにか特別な嗜好をもっているわけではない。
ただし、毎朝、ラブのウンチを拾い上げているので、身近な存在ではある。
Peepooという簡易トイレをご存知だろうか。
スエーデン生まれのその、ウンチバッグは殺菌作用があり、かつ生分解して、そのまま肥料に使える。
なんと世界の40%のひと、26億人はトイレのない生活を強いられている。
そのため15秒にひとりの子供が衛生上の問題で命を落としているそうだ。
このウンチバッグはケニアなどでは、2ケニアシリング~3ケニアシリングで売られている。日本円にすると、2~3円。
ラブのウンチバッグよりずっと安い・・
素晴らしい!
これでこの世界の大問題は、一発解決だ!
と、思った。
が、そうは簡単に、問屋はおろさない・・・ようだ。
僕がこのバッグのことを知ったのは今日だけど、2,3年前からすでに、この話は有名になっていたようだ。
それから、どうなったのか。
Peepooのサイトで直近のニュースを見ると、この3月ケニアのスラムで、Peepooのセールスウーマンとサポーターのふたりが、撃たれて亡くなっている。
セールスウーマンだったジュディスさんは、32才、6人の子供の母親だったそうだ。
また、僕らの感覚からすると、2~3円というのは、充分に安く、スラムのひとたちもすぐに買って使ってくれそうなのだけど、そうでもないようだ。
ケニアのスラム・キベラでの彼らの経験から、ほんとうにそれが必要とされるところで、それを使ってもらうためには、まだ当分は、補助金がいると、彼らは言っている。
もちろん、彼らはそれを商業ベースで使ってもらうことを、目標にはしているけれど。
ひとつの発明で、世界を変える。
それが可能な場合もあるだろうけど、この件のように、基本的には、相当な忍耐と覚悟が必要なのだな、と思うわけである。
道は遠い。
彼らの活動が、大きく実を結ぶことを願ってやまない。