ICHIROYAのブログ

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あなたなら、一円のお金も使わずに36時間でどこまで行けますか?(粋な脱獄ゲーム)

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by MidCentArc

 

 

アイルランドやイギリスでは、粋な「脱獄ゲーム」が流行っているらしい。
36時間以内に、一円も使わずに、どこまで行けるかを競う。
馬鹿だね、まったく!


ルールがそれだけだと、ヒッチハイクでどこまで行けるかの勝負になる。
いかに、遠くまで行けそうな車、早そうな車に乗せてもらえるか、待ち時間を少なくするかなどが勝負になる。
そういえば、僕も若いころ、ヒッチハイクで、京都から札幌を往復したことがある。
あの時は札幌までまる3日、72時間かかった。
しかし、東京から稚内あたりまで、1450km、21時間強で行けるようだから、幸運が重なれば、24時間以内での到着も可能だろう。
このルールをこのまま持ってきても、日本じゃ、ゲームそのものがあまり面白くない。


が、アイルランドのダブリンで行われた「脱獄ゲーム」では、優勝した二人の女子学生チームは、アルゼンチンに到達したという。(ソース
なんと、11300 kmである!
優勝を逃したチームも、制限時間オーバーではあったけど、シドニーやマレーシアに到達し、ダブリンの空港を飛び立てずに終わってしまったのは、わずか、3組だっという。


なぜ、そんなことができたのか、というと、この「脱獄ゲーム」は、SVPアムネスティへの寄付を募ることを目的に開催されているからだ。実際、このニュースが報じられる時点で、すでに、11000ユーロ(約137万円)を集めている。
これほど話題になっているので、たぶん、寄せられる寄付額は、相当なものになろう。


だから、挑戦者たちは、単に、「ゲームに勝ちたいんです、地球の反対へ行ってみたいんです」と言うだけでなく、「目的は、チャリティーなんです! このゲームで世間をあっと言わせるほどの遠くへ行けたら、世界の貧困層や人権侵害をされているひとの助けになるんです!だから、チケット代金ください!」と言えるのである。


なんと素敵なゲームだろうか。
いくらチャリティーだといっても、10万円も20万円もする航空券の代金を、空港などで、通りすがりの人々から、いただくということは、もちろん、相当な困難がともなう。
が、挑戦者たちも、それを見守るひとも、主催者も、ワクワクして取り組めるではないか。
それは、自分のためではなく、ほかの、誰かのひとのためなのだ。
有名人でなくても、こうして、人々の注目を集めて、本人たちも楽しみながら、社会に貢献する道だってあるのだ。


この「脱獄ゲーム」は、そもそもイギリスで始まっている。
今回、この主催者たちのものが、なぜ、これほど注目を集めたのか、いままでの「脱獄ゲーム」ではアルゼンチン行きなどがでなかったのか、そのあたりは、よく分からない。
たが、はっきりしているのは、やはり、いまの時代、「アイディア」「企画」が勝負であって、それさえ研ぎ澄ませば、けっこうなことがやれてしまうんだ、ってことだ。


わかっちゃいる。
が、なかなか、それが思いつかないんだよな~
で、思い出すのは、映画「大脱走」のスティーブ・マックィーンの最後のシーン。
自身は脱走に失敗して独房に入れられる。
だけど、ボールを壁に投げて跳ね返ってきたのを受ける、という一人遊びを、以前と同じように始める。
失敗しても、また、やるだけさ、とばかりに。
ついつい思い出すのは、あのシーンだ。
ま、ともかく、諦めずに、頑張らねば。

 


ところで、主催者いわく、
優勝したClareとMatthewさんはふたりとも薬学の3回生。
アルゼンチンに長居して、楽しんでいます。
で、どうやって帰ってこようか、と頑張っているところです。

だとさ。
ほんとお馬鹿だね!
ちょっと笑える。

でも、今頃、すでに誰かが帰りの航空券をくれているだろう。
優勝者ふたりに、そして、チャリティーに応えたひとたちに、そして主催者たちに、幸あれ!