ICHIROYAのブログ

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宇宙に行かされた犬ライカ と 新開発の口紅を口に押し込まれるウサギたち




最近、こんな銘仙の着物もゲットした。
人工衛星の模様が織り出されている。
数年前にも同じような柄の銘仙の羽織を入手したことがあり、このデザインは、1957年、ソ連が打ち上げた世界初の人工衛星スプートニク1号のものだと思っていた。

あらためて、スプートニク1号の写真を見ると、少しデザインが違う。
でも、科学技術最先端にいると思っていたアメリカを驚愕させたころの人工衛星をもとにデザインされていることは間違いないであろう。



*実際のスプートニク1号の写真


ところで、ソ連は、生物を乗せて地球軌道を周回することにおいても、アメリカの先を行った。
スプートニク1号から、わずか1か月後、犬の「ライカ」ちゃんを乗せたスプートニク2号が地球軌道に到達した。
その成功は再び、アメリカを打ちのめしたが、世界に喧々諤々たる議論を巻き起こした。
このメスのライカちゃんの乗ったスプートニク2号は、大気圏再突入の設計のない片道切符の宇宙船だったからだ。


何十匹の犬たちとともに厳しい訓練を受けた。狭いスペースに何日も閉じ込められ、排泄もそこですます。
ライカちゃんはよく訓練に耐え、ファイナリストの6匹に残った。
最初のプランでは、別の犬が最有力候補とみなされいた。が、その犬はどうやら人間たちの人気者だったらしく、最後の選抜に外れ、ライカちゃんが選ばれたという。

ライカちゃんを乗せたスプートニク2号は、無事、周回軌道に乗り、1周して帰ってきたときには、ライカちゃんの生体反応が確認された。
しかし、ライカちゃんの宇宙旅行が大成功と喧伝されている間に、すでに船内で異常が起きていた。
3周目、船内の温度が40度を超えており、ライカちゃんはどんどん暑くなっていく船内でパニックになっていた。
そして、打ち上げからわずか5、6時間後、ライカちゃんの生体反応はゼロとなった。
詳しくはこちらで



*ライカちゃん!


さて、話は変わって、嬉しいニュース。
来る3月 11日から、EUでは、化粧品の動物実験を全面禁止になる。
今後は、世界中のどこであろうと動物実験をした化粧品は、EUでの販売ができなくなる。
医薬品ではない。化粧品の話である
しかし、じつは、ここにいたるまでに、企業側から激しい抵抗があり、20年を要している。


ライカちゃんの死が、人類にとって必要なものであったのかどうか、議論の余地はある。
なぜ、大気圏再突入の設計を待つことができなかったのか。
が、たしかにライカちゃんのおかげで、アメリカ・ソ連の宇宙計画はおおいにそのスピードを増したのである。
そして、それは両国のメンツ、軍拡競争だけでなく、多くの民生技術への派生も加速しただろう。
ライカちゃんの犠牲が、その後、多くの人間を救ったことは、間違いない。


しかし、新しい化粧品の開発のために、ウサギの目にシャンプーを流しこんだり、ラットの口に口紅を押し込んだりすることとは別の話だ。
ライカちゃんの命は人類の進歩のために捧げられたが、化粧品の実験台になる動物たちは、行く先のない美への貪欲のために犠牲にされる。


EUのひとたちは、ウサギたちにひどいことをして開発された、新しい暉やきの口紅に、NOと言うことに決めたのである。
化粧品会社たちが、 自らの利益を、顧客の無知と無慈悲につけこんだ過当競争の末にえようとすることを禁止したのである。


そして、日本は・・・たいしたものだ。
道は果てしなく遠い。
とことん、体罰やいじめや、小さな動物たちををいじめるのが好きな国民のようだ。

 「ウサギを救え! 化粧品の動物実験反対キャンペーン」