ICHIROYAのブログ

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ジノリの破産と、リヤドロの中東初のドバイ店オープンに思うこと

仕事始め早々、リチャード・ジノリが破産宣告を受けたというニュースが飛び込んできた。言わずと知れた、イタリアの高級陶磁器メーカーである。

 

そういえば、2009年に、もうひとつの高級陶磁器メーカーの雄、ウェッジウッドも倒産している。Wikiによれば、その後アメリカのKPS Capital Partnersが買収し、リストラして生き残った。従業員800人はイギリスに残したものの、1500人は解雇、高級ラインのみイギリスに残し、それ以外の製造はアジアへ移したようだ。( Wiki参照 )

 

この不況では、高級呉服と同じく、高級陶器のマーケットも、相当厳しいのであろう。
じつは、20年ぐらい前、僕は洋食器のマネージャーをさせていただいており、ウェッジウッド、ジノリ、 ロイヤル・コペンハーゲン、ヘレンドなどの高級洋食器売場も担当していたことがあるのだ。
その時も、すでに、並行輸入品などとの競争は厳しかったが、それでも、百貨店でギフトに買うというお客様も多く、それなりに商売をさせていただいていた。

 

ウェッジウッドとジノリと言えば、そのなかでも主力ブランドであり、そのふたつが経営破たんに陥るような時代が来るとは、まったく、想像もつかなかった。

 

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by Robert Albert

 

そんな中、たまたまネットを見ていて、スペインのリアドロが、ひとり気を吐いているのを知った。

売り込まない経営 「購入する理由」を提供する企業

リアドロはスペインの会社である。
スペインといえば、昨今のユーロ危機のなかでも、もっとも厳しい国のひとつで、 失業率も25%だ。
そのスペインにあって、しかも、高級磁器というマーケットにあって、好調とはどういうことか。

エレガントな磁器の人形をつくっているリアドロ。

男性はあまり知らないかもしれないけど、たぶん、女性はみんな知っている。
もちろん、かつて、売場で扱ってもいた。でも、当時は、ジノリやウェッジウッドに比べると、どうしても脇役のような位置にいた。

 

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リヤドロのネットショップ

 

が、何時頃だろうか、そういえば、リアドロの五月人形の広告が大きく新聞に載っているのを見て驚いたことがあった。
それがエレガントなヨーロッパ風のものではなく、日本的な、まさに、日本の伝統そのものである、五月人形であることに驚いた。
また、それほど大きな紙面、相当な宣伝費を、その一アイテムに投下していることにも驚いた。
値段は、もちろん、20数万円という価格がついているが、宣伝費に見合うほど、売れるのだろうか、と。

そして、上記の記事を読ませていただいて、納得した。
リアドロジャパン の社長さんは、20年間、日本で暮らした方で、日本の伝統、習慣、マーケットを熟知して、雛人形と五月人形に着目。
大きくて、飾るにも、収納するにもたいへんな雛人形、五月人形を、小さく、おしゃれで、価値のあるもの( 限定数がある)にした。
それこそ、リアドロが最も得意とすることだったのだ。
まったく、素晴らしい!
 リアドロジャパン の社長さんの慧眼は、本社を動かし、製品化し、目の肥えた日本の消費者にも熱狂的に受け入れられた。

 

そして、どうやら、リアドロのその快進撃は、日本だけでなく、世界各地で起きているようなのだ。 
ネットで調べてみると、 去年の12月には、ドバイに中東ではじめての店鋪をオープンしているし、インドでも店鋪を増やす計画のようだ。

 

そして、それぞれの国で、その商品がどんな伝統と結びついているのかはわからないのだが、ともかく、その国々にふさわしい商品をつくって、提供しているようなのだ。

 

インドでは、これ。

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by Vini920

 

中国では、

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by Robert Albert

 

アフリカでは、

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by  lilivanili

 

まったく、素晴らしいマーケティングではないか!
まった、ぞくぞくするような、快進撃ではないか!
リヤドロのこの快進撃を知ると、どんな苦境にも、道はあると、思えてくるのである!
がんばらなきゃ!