ICHIROYAのブログ

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ギリシャ国民のデモを笑う日本人~目くそ鼻くその笑止!

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国債が暴落して、超円安となり、ハイパーインフレが起き、国家は破産。
預金は、円は、ただの紙くずとなります。
だから、今のうちに、資産を外貨に移しておきましょう。

この手の言説を、ここ10年、何度見て、何回、本を買ってしまったことだろう。
初めてこの手の本を買った時、そういう未来がすぐそこに来ていると、素直に信じ、震撼した。

うちの場合、当初、海外への販売が主だったので、ドルベースの入金だ。
そういう言説におびえて、入金のある程度を、円にせずドルのままにしておいた。
そしたら、120円だった円レートが、80円にまで下がってしまい、おおかた3割を失うことになった。

ちきしょう!
騙された!
なんだ、やっぱり、日本への世界の信頼は厚く、円は強くなる一方じゃないか。
嘘つきめ!

が、しかし、だ。

日本の輸出産業の雄、ソニーやパナソニックやシャープが、韓国などとの競争に敗れて売れなくなり、原発事故の影響で化石燃料の輸入は増え、日本という国の対外収支が赤字基調になりつつあるかもしれないという。
また、税収は、40兆ほどしかないのに、年金、医療、介護などに国が使うオカネは、100兆円を超えた( 参考 )。

ま、言えば、お父さんとお母さんが共働きしてがんばってるのに、給料は生活費に全然足りず、どんどん借金は増えているのに、同居しているおじいちゃんは、年金で悠々、パチンコと不要な病院通いで、毎日を過ごしている、あまつさえ貯金もがっぽりある、という感じ。

しかし、そんな比喩は、国家の財政には不適と言い放ち、政治家たちは、借金をしてでも公共事業を増やし、それで円をじゃんじゃん刷って、インフレになれば、すべて解決する、という。
なかには、未だ懲りず、子育てのための給付をするたら、消費税増税はさせない、などと息巻く輩も。

たしかに、いまだ金利は低いままで、国債未達の雰囲気はない。
しかし、円は少し安くなり、円高から円安へ向かう歴史的転換点を通過した、という人も多い。

怠け者で奔放に好き放題した挙句、カネよこせとデモをするギリシャ国民を笑っていたのは、つい最近のことだが、どうやら、我々も同類らしいと、今、気づいた。

政治家や経済学者がなんと言おうと、40兆しか税収がないのに、社会保障の給付だけに100兆もばらまいていいはずがない。
過去最高の税収でも、バブル最盛期の60兆である。
あの酒池肉林のバブル期が再来したとて、まだ全然足りない。

しかも、高齢化はますます進む。
この期に及んで、消費税増税反対などを唱える主張に、まじめに耳を傾けてい頷いている人が多いということは、我々日本人は、ギリシャ国民以上に、大馬鹿なのではないだろうか。


最近、ホンキで恐れている。
あのオオカミ少年ども、円安とハイパーインフレが来る来ると言って、僕に損をさせたあの連中の言っていたことが、ほんとうになるのではないか、と。
そもそも、彼らがホンモノのオオカミ少年であれば、最後の最後に、狼はやってきて、羊は食べられてしまうのだ。


ところで、若いひとたちのなかには、ハイパーインフレでも起きて、いったん、すべてをご破算にしてくれたほうが、良い、というひとも多いだろう。
たしかに、良い時代に恵まれて、お金を貯めたご老人たちの資産が、自分たちと同じく、パアになってしまえば、心情的には嬉しいだろう。

しかし、それにしても、苦労は、等しく老人をも若者をも襲う。
やがて高齢者ひとりを、ふたりの現役世代で支えることになる。
いまはそれでも、介護保険、年金、医療保険に支えられて、なんとか高齢者を、現役世代、若者で支えている。
数字から見れば、40兆の収入しかないのに、社会保障だけで100兆円も使っているので、ギリシャ並のカネ使いの荒さなのだが、僕ら現役世代にとっては、それが贅沢という気はしない。
これでも、親の介護のために、仕事を辞めたり、生活に窮したりしている人が多くいるのである。

そのおカネがどこから来ているかといえば、高齢者の貯金の取り崩しと収入に比して過大な社会保障である。
ハイパーインフレになれば、高齢者の貯金はなくなり、社会保障費はインフレに追いつかない。
しかし、今以上に、高齢者を支えなければならない構図に変わりはなく、現役世代、若者の負担はますます重くなってしまう。
もっと、直接的な表現をするなら、レストランでワインを傾けている時間はなくなり、パソコンに向かって何やら軽快に仕事をしている時間は減り、認知症を患った自分の親のうんちを、みずから始末している時間が、ずっと多くなる、ということだ。


まったく、どうするんだ?
結局、国家破産は不可避で、老いも若きも、資産家も貧乏人も、誰もが塗炭の苦しみを味わうほかないのだろうか?

 

(写真は 襤褸~~こんなに貧しかった時代がまた来る!もう、すぐに!?