サムライの魂、オランダで9万人を集める!
歴史マニアは、この絵が何か知っているだろう。
(下手な絵!こちらにホンモノが→)
貼り付けにされているのは、鳥居強右衛門。
武田軍の猛攻にさらされた長篠城から援軍を求めて脱出した下級武士の彼は、使命を果たして帰城しようとしたところを捕らえられる。
磔にされて、城の前に晒され、「援軍は来ないと言え。そうすれば、命を助け、家臣として召抱える」と言われる。
しかし、鳥居強右衛門、「援軍はすぐそばに来ている!もう少しだがんばれ!」と叫んで、刺殺される。
その鳥居強右衛門の死に様に感動した落合佐平次は、その磔の様子を図のような旗指物とした。
旗指物というのは、戦国時代、武士たちが自軍の目印として使った旗だ。
この旗指物はとくにユニークなものとして有名だけど、目印としてだけではなく、自分が何者であるか、自分がどんな武者であるかを、視覚化したものでもあった。
こういうものを見るたびに、サムライたちの覚悟が胸に迫ってくる。
海外にモノを売っていると、ジブンも、サムライを生んだ国のニッポンジンである、と意識することが多い。
そして、自問するのだ。
ジブンなら、鳥居強右衛門のように死ねただろうか、と。
僕の父方の祖先は農家だったようだから、切腹できなくても、納得のいく話なのだが、遠い祖先のどこかで、サムライの血が少しは混じっているかもしれぬ。
いや、きっと混じっているはずだ。
だとしたら、僕も、すこしは、サムライらしく、潔く、強く生きねばならぬ、と思うのであった。
ところで、先日、ブログでもお知らせした北村勝史氏のオランダでの展示会「SAMURAI展」の様子を、北村さんよりお知らせいただいた。
敬愛する大先輩の北村勝史氏は、日本一(つまり世界一)の幟のコレクターで、氏の旗指物や幟旗のコレクションが、鎧兜などとともに、ロッテルダムの博物館で展示されているのだ。
鎧兜・武具は、ベルギー・オランダ皇室にかつて贈答されたりしたもので、日本では見ることができない、超一級品ばかりである、という。
それらとともに、北村氏の旗指物、幟旗が展示されているのだ。
氏は、900人を招いた大オープニング・パーティーに招かれて、記念スピーチをなさったという。
しかも、原稿なしの英語のスピーチに挑戦され、やんやの大喝采だったそうだ。
もちろん、展示会は大好評。
最初の週末二日間で、2800人もの来場者があったという。
このままいくと、5か月で9万人という博物館側の目標も、軽く達成できそうな勢いである。
なんと、嬉しいことではないか!
北村さんのコレクションが、こうして世界で評価され、サムライたちの魂が、ヨーロッパで、9万人ものひとを集める。
北村さん、大成功、おめでとうございます!
そして、また、ジブンの胸に問うのだ。
世界で、ニッポンジンという看板を背負っているということは、否応なく、サムライ魂のイメージの一端も担わされているということなのだ。
それは、結局、
誰かのために死ねるかと、
僕らに問いかけてくるのだった。
◆北村さんのコレクションに関する過去の記事もぜひ!
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