文学少年・文学少女よ胸を張れ!君たちの時代が来た!
本の虫、あるいは、文学少年、文学少女というのは、世俗的には、あんまり恵まれているとはいえなかった。
本の虫だった僕にとっても、マスコミはあまりに狭き門で、文章を書いたり読んだりすることを職業にすることなど、とても考えられなかった。
文学賞をとって、作家デビューする。
コネで出版社に就職する。
フリーのライターになって、薄給で働くかたわら、一発ホームランを狙う。
コピーライターになって、売り出しチラシのテニオハの校正に明け暮れつつ、陽のあたる場所への転職を狙う。
どれも無理。
となると、一般社会で、一般企業で生きることになるのだが、そこでは、文章力など、ほとんど無用の長物となってしまうのだ。
しかし、最近、文学少年、文学少女の文章力が、『世俗的にも』活かされる道が増えてきたように思うのだ。
まず思うのは、ネットショップの文章を書く仕事がある。
最近も仲間と話をしていて、仲間がしみじみと言っていた。
某店は写真で売っているけど、某店は商品の説明文がうまく、説明文で売っているよな。普通のアルバイトだったら、あんな文章書けないよな。
あんな説明文の書けるひと、雇いたいなあ。
そうなのだ。
商品説明の文章というのは、それぞれの書き手の、教養や読書量が、如実に現れてしまう。
もちろん、それぞれの商品の専門知識は必要だ。
だが、専門知識は教えて貰えれば、比較的短期間にマスターできる。
が、文章の完成度、風格は、教えることはできないのである。
そして、その文章の巧緻が、ネットショップの売上を大きく左右するのだ。
ネットショップだけではない。
先日、訪ねてきてくれた元スタッフのYさんも、文章で身を立てる決意をして学校に通い、雑誌社のようなところに就職した。その後、その雑誌社を離れ、現在では、ある家具屋さんで働いている。仕事の内容は、ウェッブの更新で、ネットショップ、フェイスブック、ブログのそれぞれの内容を自分で取材して文章にすることだ、という。
昔だったら、考えられない職種だ。
ネットショップだけでなく、企業が自社のコンセプトの打ち出しや、ファンの獲得にがんばっている、ブログ、フェイスブックなどには、うまい文章の書き手が不可欠なのである。
ひょっとしたら、将来、『プロウェッブライター』というような職種が一般的になるかもしれない。
そして、花形『プロウェッブライター』は、Aという企業のフェイスブックページとブログを超人気化し、その後、BとCという企業に移って同じように、ファンを増やし、こんどは、有名企業Xに引きぬかれた。
収入も、年収300万から始めて、Xでは、年俸1億弱と言われている・・・
なんてことになるのかも。
ともかく、文章力が、いまほど求められている時代はない。
それは確かだ。
文学青年・文学少女よ胸を張れ!
君たちの時代が来たのだ!