嫁と僕の叶わぬ夢とは~~(おめでとう!バイきんぐ)
嫁にはいつもいろいろ教わっている。
英語のこととか、着物の着方とか、コーディネートとかいろいろである。
そして、もっとも、ありがたいのが、お笑い芸人に関する情報である。
東京03とか、ブラックマヨネーズとか、だいたい、メジャーになって、これは誰?と僕が思うときには、嫁はすでに彼らを知っていて、苦節何年だとか、誰と同期だとか、情報を教えてくれるのだ。
我が家では、お笑い芸人に関することは、一大ニュースなのである。
ところで、おとといの夜、『キングオブコント』を見ていたら、また、新たなビッグスターが生まれた。
『バイきんぐ』である。
たまたま、娘たちは外出中、嫁は体調不良で伏せっており、僕ひとりで見ていたのだが、新しい才能が、まさに世に現れる瞬間に立ち会い、めちゃくちゃ興奮した。
コンビを組んで15年、いままでチャンスに恵まれず、毎夜、清掃・消毒のバイトで糊口をしのいでおり、コントでの収入は月数万円にしかならない、という。
北野まことさんだか誰かが、「彼らはいままでチャンスがなかっただけで、実力は折り紙つきですから」と言っておられたが、たしかに、彼らの芸をみて、納得した。
2回のコントをやり、審査員は芸人たちで、その合計得点で競うのだが、『バイきんぐ』の合計点は、2位以下を大きく引き離して、圧勝であった。
芸風は、コントの王道を行くものである。
ふたつのコントとも、設定が秀逸だと思う。
コントの場合、設定がすっと胸に入ってこなければ、乗り切れないのだが、絶妙な設定と、リズムの良さが大笑いを生む。
ともかく、死ぬほど笑った。
また、優勝して涙を流している彼らを見て、深く深く感動した。
どうやら、さすがの嫁も、『バイきんぐ』は、知らなかったらしい。
『エンタの神様』での出演もあったらしいが、嫁も僕もまったく知らなかった。
あんまり興奮したので、きのう、着物の市場で、
「『しずる』の『驚く教師』もサイコーやったな!」と、驚くマネをしたら、みんなは、
「 ? 」
「え? 『バイきんぐ』の優勝知らんの? コント見なかったん?」
「 ? 」
と、まったく、業者仲間は、ほとんど誰も、昨日の大ニュースを知らない。
これはいかん!
アンティーク・リサイクル着物の業者仲間にも、このニュースを知ってもらわないと、世の中の変化に取り残される。
そういった危機感に駆られて、世間の人々には周知な、『バイきんぐ』のことを、ここに記そうと思ったわけである。
ところで、漫才、コントだけでなく、『モノマネ王座決定戦』なども、かかさずウォッチする嫁にはついていけない面もあるが、夢は一致する。
ふたりの叶わない夢。
それは、いつか、大爆笑をうむ、コント、漫才を書くことである!