ひとは素晴らしいライバルを得て切磋琢磨してこそ、ひとりでは到底到達できない高みへ達することができる、という。
僕にもたくさんのライバルがいるようだ。
しかし、こっちが勝手にライバルと思っていた相手は、百貨店時代も、アンティーク着物業界でも、どんどん高みへ行ってしまい、視野から消えていくので、僕はこうやって、ここに取り残されているのである。
さて、書きたいことは、そんな泣き言ではない。
じつは、たったいま、生涯最大、最高のライバルと毎日死闘を繰り広げているのである。
その男は、竹細工、竹のバッグなどをつくる凄い職人である。
どれだけ凄いかと言うと、高級バッグなどとはまったく縁のない僕の嫁が、その男のかなり高額のバッグをひとつ持っているのである。
大分の竹業界の重鎮のひとりで、なんと中学校の教科書にも、写真が載っているくらいである。
しかも、男のつくるものは、あの有名デザイナー・シビラ本人が気に入り、シビラ本人がいつも持っているだけではなく、シビラと共同企画してつくったバッグが世界中のシビラのショップで販売されているのである。
しかし、それはさておき、一番気になるのは、その男のフェイスブックとブログである。
どうやら、この男、ひとを笑わせたいという、何よりも強い情熱の炎が胸に宿っているようなのだ。
もう何年もブログを書いているが、フェイスブックに登場するや、その情熱がさらに赤く燃え上がり、毎日毎日、フェイスブックに、大笑いできるネタが投稿されるのである。
そして、フェイスブックの記事から、さらに磨いたものが、ブログに投稿される。
たとえば、下の写真は、その男が、卵を生んだ、ときの記事である。
僕は非常な危機感を感じて、「仕事そっちのけで、四六時中ネタを考えるのはやめましょう」、というようなコメントを思わずつけた。
最近では、「ジゴロの心得シリーズ」というものがあり、女心に精通していると自負するこの男、女心の扱いについて、事細かに講釈を垂れるのであるが、まったく腹の立つことに、このシリーズが、うちの嫁に大受けなのである。
僕の書くものに関しては、「う~~ん、近すぎて、わかんない~」とか言って、まったく冷淡なくせに、この男の書くものについては、事あるたびに、おもしろいおもしろい、と言って、パソコンの画面を見て、こっそり噴いているのである。
この男ほどのライバルが、いまだかつて存在しただろうか。
負けたくない、負けるもんか。
毎日、まず、この男のフェイスブックとブログをチェックして、僕の胸のうちの炎を熱く燃え上がらせているのある。
高江さん、文章の都合上、「この男」扱いで失礼しました。
僕は、高江さんの、真っ正直に、いつも笑いと友情を忘れず、冒険心に溢れ、なんでもやってしまう高江さんを心から尊敬し、その生き方を眩しくみつめています。
なんでまったく経験のないログハウスの家を、建てちゃうんですか?
そもそも、なぜ、ひとりで家を建てることができる、なんて考えちゃうんですか?
なぜ、本格ピザが焼ける石窯をみんなで庭につくったりしちゃうんですか?
なぜ、素晴らしい竹細工をつくるだけでなく、そんなにも多くのお客様と深い信頼関係を結ぶことができるんですか?
なぜ、そんなにも職人仲間やネット仲間から愛されて、フェイスブックのコメントが何十個もつくんですか?
なぜ、そんなにも、愛と友情に満ちた人生を、そんなにも、自由に楽しんで、生きることができるんですか?
僕は、迷った時、高江さんの生き様に、人生を楽しむための真髄を探します。
高江さん、お友達になっていただいて、ほんとうにありがとうございます!
教科書に載ったのは手の写真だけだったとしても、僕の高江さんへの尊敬の気持ちに揺らぎはありません。