ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

★★★当ブログはじつはリサイクル/アンティーク着物屋のブログです。記事をお楽しみいただけましたら最高。いつか、着物が必要になった時に思い出していただければ、なお喜びます!お店はこちらになります。★★★


人間は西部を目指す

f:id:yumejitsugen1:20100729161406j:plain

 

 もしゴールドラッシュの時代にアメリカで生まれていたら、どちらの道を選んだろうか。

1.金を掘りにいく
2.金を掘りにいく人たち向けの宿をつくる

 もし、僕が若くて家族もなく、何も失うものがなければ、おそらく、1を選んだだろう。
 だけど、僕に家族がいて、子どもたちにお金が必要だったら、2の道を選ぶだろう。

 起業にもそういうところがある。
 かつてはビジネスというのは、利益を生むこと、それがある程度の長期間にわたって得られることが必須であった。
 だが、いまでは、ネット関連事業のスタートアップは、とにかく急速にユーザーを増やせばよい。利益はあとでついてくるから、というスタイルがひとつのスタンダードになっている。また、そういうビジネスは面倒な上場を目指すだけでなく、M&Aで買ってもらうという出口も一般的になってきた。
 YoutubeやInstagramの大成功を目にし、また、そういったことに成功した人たちの声を始終聞いていると、つい、自分もそれを目指したいと思う。

 それは、ゴールドラッシュの時代の、金掘りと似たところがあるように思っている。
 そこで巨万の富を得た人がいる。
 しかも、自分にもできそうな気がするのである。
 そして、何百万人という人がそれを夢見て西部へ旅に出る。
 金を掘りにいこうとする人たちの中には、とんでもなく切れる人もいる。そういう人たちが、さまざまな可能性をずっと考え調べ続けている。
 金が埋まっていそうな場所は、そういう人たちがすでに徘徊して、ためしに掘ってみたところばかりだ。
 言うまでもなく、それで成功する人はほんの一握りなのである。
 大多数の人は砂金の一握りも手にすることができず、夢破れ墓に入る。
 
 もし、あなたが、自分の力で、ある程度の期間で、どうしてもお金を稼ぐ必要があるというのなら、金を掘りに行くのではなく、金の掘る人たちに向けたサービスをすることをおすすめする。
 そこには必ずなにがしかのニーズがあって、工夫次第でいくらかの利益をいただくことができる。金を掘る道具を売る、地図を売る、宿を経営する、娯楽を提供する、食糧を売る・・・ニーズはいくらでもある。自分でうまく提供できそうなニーズをみつけて、最初は低価格でそれを提供すればよい。お客様を得ることができたら、工夫を重ねることが利益を継続的に生み出すことになるだろう。

 早く稼がなければならないと思いながら、まだ、YoutubeやInstagramの大成功に思いをはせている人は、西部の荒野の川で砂金を探しているようなものだ。
 とにかく稼ぐためには、誰かの役に立つことを提供して、報酬を得る方法はないかと、リアルに考えてみたほうがよい。
 

 とはいえ、僕も、よく金鉱脈をみつけることを夢見る。
 結局、人間というのは、誰しも、ゴールドラッシュに駆けつけたいと夢見るものなのかもしれない。


PS 秋に発売予定の本でそういう話も書いてます

photo by G. Frank Peterson