ICHIROYAのブログ

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オトコの中のオトコ、海を変える!

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 海の中で白衣を着て講義をしているのは、高校時代の友人で徳島大学/近畿大学の講師でもあるタカッチ(中西敬氏)である。
 さて、タカッチってどんなやつ?って聞かれたら、僕はいつもこう答えている。
「オトコの中のオトコ」
 ともかく、そんな人である。
 生まれついてのリーダーであり、勉強も運動も万能で、しかも男前。
 とにかく、誰もが友達になりたいと思うような人だ。

 
 さて、そんな彼がテトラポッドのかぶりものをして、海のなかで白衣を着て講義をしている。
 どうした、タカッチ!?
 さかなくんに対抗しているのか!?
 短いので、まずは下の動画を見て欲しい。
 



 
 タカッチは、徳島大学で「アミノ酸コンクリート」の研究をしているのである。
 この「アミノ酸コンクリート」(通称アミコン)は、コンクリートアミノ酸を混ぜてつくる。そのアミノ酸が水中に継続的にゆっくりと溶け出すことで、藻などの成長を促し、環境にとてもやさしい、画期的な水中の構造物になるである。
 藻の成長が早いため、それを餌とする微生物や小魚、そしてそれを餌とする魚が多く寄ってくる。
 日本でも自然の海岸線の多くはコンクリートで固められてしまったが、このコンクリートを使うことで、より自然に近い海洋環境を早い時間で取り戻すことができるのだ。

 この画期的なコンクリートの研究は2008年に研究が始まったばかりだ。
 味の素がアミノ酸の活用を考えていて、それを日建工学にもちかけた。日建工学が味の素から提供されたアミノ酸をコンクリート混ぜてみたところちゃんと固まった。 
 そこでその新しいコンクリートの可能性を探るために、海洋土木、海洋環境に詳しいタカッチに白羽の矢が立てられた。徳島大学の講師をしていたタカッチはその話を徳島大学にもちかけ、(「味の素」+「日建工学」+「徳島大学」)with「タカッチ」という研究体制が固まったのである。
 このアミコンは現在世界的にも注目されており、タカッチは海外の学会での発表などにも呼ばれて、国内外を飛び回っている。

 僕らの世代のヒーローのひとりに、ジャック・イブ・クストーがいる。
 有名な海洋学者で、僕も彼のように海洋学者となって、世界の海を駆け巡りたいと思ったものだ。
 そんな憧れをひきずっていたために、僕は大学に水産学科を選んだ。
 タカッチも海への思いが強く、水産学部に行った。
 大学一年の夏、タカッチの下宿を訪れいっしょに海に潜りに行った。
 僕は耳抜きができずぜんぜん潜れず、海面から2メーターの範囲でバタバタしていた。
 タカッチはすでに相当潜り慣れており、華麗なジャックナイフで海の底へと消えていった。
 ああ、タカッチさようなら、僕には無理だよ。
 そして、僕は海への憧れを捨てた。

 タカッチが海の底へと消えてから、30年。
 同窓会とフェイスブックでタカッチとの交友が復活した。
「オトコの中のオトコ」は、初心を貫徹して、世界の海を変えようとしていた。

 世界の海外の海岸線の総延長は十数万キロ以上あるという。
 日本の海岸線の3割から4割はすでに人工海岸であるという。世界の海岸線の多くも、今後人工海岸になっていくだろう。
 その時に、この「アミコン」は、海の環境への良いインパクトと、とてつもないビジネスの可能性を持っているのである。

 さすが、タカッチだ!
 タカッチと「アミコン」を全力で応援したい!
 

*こちらにアミコン開発の経緯が掲載されています。