ICHIROYAのブログ

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ブルーボトルコーヒーの卸部門撤退について思うこと

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 ブルーボトルコーヒーが卸部門を辞めるそうだ。
 Incの記事で知ったのだが、6月22日付の会社のブログにも記載されている。
 僕はコーヒーが好きだし、最近はさまざまなカフェ業態が近所にもできていることから、コーヒービジネスに興味はあるのだが、ほとんど何も知らないので、話題のブルーボトルコーヒーやコーヒービジネスについて、なにか意味のある言及ができるとは思わない。

 ただ、小売と卸をひとつの会社、それも中規模以下の会社で可能かということに、僕は興味があってそのニュースが心にひっかかったのである。

 たとえば、うちの会社のHPを見て、卸をしてくれという話はかなり頻繁にいただく。でも、うちの会社の商品は原則ひとつしかない。ひとつしかないものを、小売でエンドユーザーに買っていただきたいかか、卸で小売店さんに買っていただきたいか選べと言われたら、当然、エンドユーザーになる。エンドユーザーさんに向けてお譲りしたほうが利益が大きいし、そもそも、それだけの利益がでなければ合わないだけの手間をかけている。卸をするとしたら、相手がプロだから省ける手間を省いて安く、それも大量に買っていただければいいのだが、僕の会社の仕組みはそうなっていないので、卸はできない、ということになる。

 反対に卸をやっていたところが小売を始められる場合もある。
 もう何年も前になるが、定期的に仕入れていた先が小売向けのネットショップを開設された。その値段はうちが仕入れていた価格に少し上乗せした程度の価格設定であった。仕方なく僕らはそこから仕入れることをやめた。そこは製造卸だったから、それでも充分な利益がとれたのだろう。しかし、その価格で直売されたのでは、信用して販売してきた小売店はお客様にあわせる顔がない。 


 ブルーボトルコーヒーが卸部門をやめる理由は、卸先を隅々まではコントロールできず、自分たちの理想とするやり方でコーヒーの提供をしてくれるかどうか保証できないからということらしい。
 今までブルーボトルコーヒーを仕入れて提供してくれてきたレストランなどとの取引もやめなければならないし、自社の卸部門を閉じて人員を小売部門に配転しなければならない。
 それが、彼らのビジネスの成長を鈍化させるかもという懸念をもつ投資家たちも説得しなければならない。

 しかし、結局のところ、会社のビジョンを明確にしてそれを貫くことこそが、持続的な成長を可能にするという判断なのだろう。

 やはり、小売か卸かというのは、会社のビジョン・コンセプト・仕組みと密接に関連しており、簡単にはじめることもできるし売れそうだからということで、片方から片方に簡単に乗り入れるものではない、ということなのかもしれない。
 将来、卸をするとしたら、よほど考え抜いてはじめなければならないなと思った。  



photo by Christopher Michel