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ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

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自分の労働市場における価値が低いことをいったんは受け入れよう

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 中年期の独立についての本を書いているので、体験談など教えていただければ嬉しいと書いたら、「48歳で会社を去り自営4年たちました」という高梨和宏さんから、体験談をいただいたので紹介したい。

  中年期にもなると、いろいろ見えてしまうし、守りたいものも多いし、しかし経験はないので越えるイメージはできず、ふつうに考えて雇われの環境を捨ててまでうまくいく独立シナリオなど描けようはずがないのです。失敗したらどうしようとか、常識的な理性が働くうちは独立には至らないように思います。
 わたしがリクルート社の自立支援プログラムに通いはじめたころ、担当者に「これからはご自身の満足度の最大化を目指しましょう」と自分の市場価値はもはや安いことが示唆されました。
 それもあって、安い雇われで糊口をしのぐくらいなら、満足度を優先して独立するたとえば、タクシー運転手になって10年間無事故無違反ののち個人タクシーを開業するとか、なんなら少ない自己資金かつ失敗率の低そうな独立を目指そう、とフランチャイジーによる自営に乗り出し4年、今に至るしだいです。
 3年ほど無休で働きましたが、休みも取れるようになり、ちょっと安定期にはいってきたようです。ハードルは越えたもののフランチャイズ料が高いので、切りのいいところでふつうの自営に移行しようと計画中です。

 
 高梨さんは48才で会社を辞められた時、「自分の市場価値は低い」ということを受け入れられたようだ。
 僕の知人で50才前後で会社を去った人が何人かいるが、彼らも、就職しようとしても給与が安く、ほとんど満足のいくような待遇で雇ってくれるところをみつけるのは至難の技であると言っていた。

 しかし、「市場価格」というのは、あくまで労働市場においてということであって、本人の価値やどれほどの潜在能力をもっているかということとはイコールではない。
 ただし、いったんはそれを受け入れると、中年期の起業は楽になる。
 「市場価格」が低いのだから、「低い」場所から始めるしかないではないか、と覚悟ができるのである。
 高梨さんが、「少ない自己資金かつ失敗率の低そうな独立を目指した」のは大正解だったと思う。
 僕は退職金として1000万円強をいただけたために、当初は、成否の可能性が半々程度しかないと思えるビジネスプランに突っ込もうとしていた。しかし、実際に会社を辞めてみると、そんな博打のようなやり方はできず(とくに子どもたちの将来を考えると)、少ない資金で何度か失敗しても大丈夫なやり方で、あるいは、失敗の可能性の低いことで始めなければならないと痛感した。

 たまたま、最近、40才を過ぎて自分のビジネスを始めた人の話を聞いた。
 なんと彼は大手都銀にいたのに、今は露天である商品を売っているという。
 都銀のような華やかな職場で、いったんネクタイを締めて中年期を迎えた男性が、自分のビジネスを始める時に、文字通り、地面にモノを並べて販売しているのである。
 多くの中年期の独立が、会社員時代のプライドに邪魔されてうまくいかないことを思えば、彼の覚悟は驚嘆に値するように思う。

 さて、しかし、フランチャイズではじめた高梨さんも、そろそろフランチャイズからの離脱を考えておられるそうだ。
 都銀を辞めて今は露天で販売をしておられるその人も、2、3年後にはより儲かる商売の方法もはじめておられるだろう。
 労働市場が「おまえの価値は低い」というのなら、いったんその評価を素直に受け入れて、小さく始めればよいのだ。
 ただし、小さく始めることは、必ずしも、小さく留まっていることを意味しないのである。
 小さく始めて小さいままだったら、労働市場の評価は正しかったと思うしかないが、より大きな稼ぎが得られたら、大きく伸ばしていけたら、やはり労働市場は「年齢」や「経歴や見栄え」などで歪んでいたのだと思うことができる。

 
 高梨さんからいただいたメールから、もう少し紹介しよう。
 会社員が独立する時、なにが一番たいへんかというと、「会社ではなく、自分自身の名前でなにかを売るという壁」を超えることだと思っている。その壁をいったん超えることができたら、その後は、さまざまな工夫を加えていけばいいだけで、最初の壁に比べるとかなり容易なことだ。
 そのあたりのことを、高梨さんはこう書いてくださっている。

 近所の町立中学のサッカー部は、ある年念願の県大会初出場を果たした以降、県大会常連校になったそうです。顧問の先生の指導が変化したわけではなく、初出場当時朝練に参加する生徒が多かったと聞きます。
 いちどハードルを越えさえすれば、それが当たり前にイメージできるようになるし、どうということはないとわかる。越えたことがないいまはイメージできなくても、チャンスがいつきてもあせらないよう、日々よく練習しておく。
 そのため、目標としているハードルを越えたことがある経験者を師匠とし手ほどきを受けること、その師匠といい信頼関係を継続すること・・・まあ若いうちは勢いでうまくいったりするのでこれもいいのですが・・・

 
 同感である。



PS 高梨さん、ありがとうございました!
引き続き、中年期の独立について、体験談や考え方をお聞かせいただければ嬉しく思います。

kyouki.hatenablog.com

  

photo by étoiles filantes