ICHIROYAのブログ

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ギネスに登録?8メーターの竹製の自撮り棒を作った男(夢の実現のため”売る”ことを好きになれ!)

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 百貨店で働きはじめて数年間というもの、若い僕は仕事が嫌で嫌で仕方がなかったのだが、その時に、誰かに言われたことがある。

 仕事が嫌でも、人間は「作る」か「売る」か、どちらかをしないと生活できない。
 なにも作れないなら、「売る」しかないだろ?


 そう言われて納得し、できることなら、小売の仕事を辞めて、どんなものでもいいから、何かを作る仕事につきたいなと思ったものだ。

 ライターのGeoffrey James さんの記事を先日紹介したが、その続編となる記事 “9 Steps to Find Your Dream Job”(あなたが夢の仕事につくための9つのステップ)が公開されている。その記事では、自分のコーリング(天職・天啓)をみつけて、それをいかに自分の仕事とするかという方法が、9つのステップに分けて書かれている。
 その項目の5番目に、「“売る”ことを好きになることを学べ」という項目が挙げられていて、昔、上に書いたようなことを考えていたことを思い出した。

 

 ほかの多くの人たちのように、「私は”売る”のは嫌いだ」と自分のことを決めつけることもできた。しかし、もし成功したいなら、自分の夢の仕事に含まれている”売る”という部分も好きになる必要があることがわかった。
 私は、”書く”よりも”売る”ことが好きだろうか?  
 残念ながらNOだ。しかし、”売る”ことも楽しんでいる。なぜなら、”売る”ということは、誰かの助けになるという、自分が心の底から愛していることを含んでいるからだ。
 そして、私の成功がほかのフリーランスの人たちよりも大きいとするならば、それが最大の理由なのである。     
                         (記事より翻訳)

  
 
 Geofferyさんのような大活躍されているビジネス・ライターの方、「作る」と言っても記事を書くような方でもそうなのか、とあらためて”売る”ことの重要性に気づかされた。
 実は、竹職人で工房経営者の敬愛する高江さんからも、そういう話は聞いたことがある。高江さんによると、竹の工芸品を作るという仕事も、昔は良い物を能率的に「作る」ことに専念していれば、問屋さんがやってきて自然と売れていった。だが、そんな時代は過ぎ去り、今は、自分で作って、なおかつ、自分で売らなければ、仕事を安定して増やしていくことはできない、と。
 もちろん、「売る」方法はさまざまで、たとえば、高江さんは百貨店に自ら出店されたり、全国のアートギャラリーで展示会をされたり、Webショップで販売されたりしている。(高江さんが自ら磨きあげたWebショップの充実度を見よ!)

 最初に書いた僕が言われた言葉は、こんな風になってきたようだ。
 つまり、

 人間は「誰かが作ったものを売る」か、「自分が作ったものを売る」か、どちらかをしないと生活できない。
 なにも作れないなら、「誰かが作ったもの売る」しかないだろ?


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  さて、高江さんの技の肝は、竹を一定の細さそして薄さ(とくにこれが重要)にし、さまざまな形に精緻に編み上げることである。
 上のようなバッグが主力商品で、その作品は、有名デザイナー・シビラさんに認められて彼女の店で販売されたり、海外で展示会をしたり、あるいは、雑誌やテレビに多く取り上げられている。

 そんな高江さんだが、高江さんの血には、「人を喜ばせたくて仕方がない」というパッションが流れている。
 上のバッグの写真にもあるように、このバッグも、何かあって傷めてしまっても、5年間は無料で修理してくれる。せっかく、買ってもらい、使っていくうちに良い色になり、持ち主に馴染むものだから、自分の手間はかかっても、ぜひ、長く使って欲しいという、高江さんの心意気のあらわれである。

 さて、そんな高江さんが最近試作した新製品がこれだ。
 セルフィースティック(自撮り棒)である。
 高江さんが作るものだから、もちろん、竹製である。
 そして、8メーターもある。
 冒頭の写真は、このセルフィースティックで撮った高江さん自身の作例である。  
 高江さんによると、伸縮や折りたたみができないので、携行には不便であるという。
 商品化されるかどうかは不明である。しかし、世界一長い竹製のセルフィースティックとして、ギネスに登録されてもおかしくはない。



 高江さんはフェイスブックにこういった写真や新製品(珍製品)情報や楽しい記事を毎日アップされており、たくさんの「いいね!」とコメントがつく。
 最新の記事にはセルフィースティックを使ったセクシーな(?)写真もアップされているので、ぜひ、高江さんをフォローしてみて欲しい。

 
 これ以上、高江さんのことを書くと、「ニッポンの職人!」という高江さんの厳粛なイメージに傷をつけてしまうかもしれないので、やめておこう。
 ともかく、この記事で、高江さんのどんな部分が伝えたかったかというと、職人であり、典型的な「作る人」であったけれど、いまでは、同時に「売る人」でもあって、そのために、人に喜んでもらうために、こんなことまでされています!ってことだ。
 高江さんに「”売る”のと”作る”のとどちらが好きですか?」って聞いてみたことはないが、きっと、どちらも好きだよと、おっしゃるのではないかと思う。
 それが証拠に、ときどきお見かけする百貨店の店頭での高江さんはいきいきしておられ、お客様とのお話を心底楽しそうにしておられる。
 そして、そのことは、このセルフィースティックの件でも、容易に想像いただけるのではないかと思う。
 

 高江さん、いつも楽しませていただき、ありがとうございます!
 僕もがんばります!

 


高江 雅人 | Facebook

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