ICHIROYAのブログ

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みにくいクリスマスツリーの話~クリスマスだからたまには臭い話だっていいじゃないか!

 

  
 こころあたたまる話というのは、なんだか胡散臭いところがある。
 それがフェイスブックとかで回ってきたら、なおさらである。
 それでも、いろんなことを忘れて、なんとなく、いい気分になれる話だってあるし、そもそも、もうすぐクリスマスなのだから、ちょっとぐらい、そういう話にひたってみるのもよいのではないかと思う。
  

  さて、その話は「みにくいクリスマスツリーの話」として、アメリカで有名になっている。
 すでに多くのサイトに載っている話だし、テレビでも紹介されている。
 そのうちの幾つかを読んでみたが、要はこういうことらしい(ちょっと不安。正確な情報が欲しいかたは、”ugly Christmas tree”と検索してみてください)。

 ペンシルベニア州のリーディングという町。
 町の中心部にあるドイツトウヒの樹を、当局はクリスマスの飾り付けをする樹に選んだ。
 いったんその頂上に飾りをつけてみたものの、町の人からは不評。
 「この樹はクリスマスツリーにはふさわしくない」とか、「鳥もとまらない醜い樹」だとか言われて散々。
 大げさな!と思ったが、下の動画を見ると、たしかにそんな風に言いたくなる気持ちもわかる。
 まるでお化けが手をぶらぶらさせているような姿なのである。


"Ugly" Christmas tree in Pennsylvania won't come down after all - Videos - CBS News

 
 当局はその苦情に応えて、その樹を撤去して、ほかの樹に置き換える計画をした。
 雨で延期になるうちに、「この樹は町の象徴。クリスマスツリーにふさわしくないからといって、撤去しないで!」 という声も上がってきた。
 そして、当局は、撤去することをやめて、最初のTwitterの写真のようにたったひとつのオーナメントをつけた。
 



 じつは、「クリスマスツリーにふさわしくない樹に、たったひとつの飾りをつけてクリスマスツリーにする」というのは、チャーリー・ブラウンの有名なクリスマスの話に出てくる。
 その物語に含意されているのは、クリスマスのほんとうの意味、イエス・キリストの誕生を祝う日であって、ツリーを飾り立てて大騒ぎする日ではないということを、再認識しよう、ということである。

 当局の思惑はあたり、たったひとつのクリスマスの飾りをつけられた醜いドイツトウヒの樹は、チャーリー・ブラウンのクリスマスツリーを現実のものとするものとして、大人気になった。

 この醜いドイツトウヒの樹、いったん撤去されそうになった不人気の樹が、クリスマスツリーとして蘇ったことに、多くの人が共感を寄せたのだった。
 それは、クリスマスの本来の意味を想起させただけでなく、こんなメッセージも発信していたからだ。
 副市長さんとか市会議員のかたが、こう言っておられる。

  Nobody is perfect.
  誰も完璧じゃない。

 
  臭い話だ。
 きっと、この小さな町には、20日に予定されている正式なクリスマスデコレーションを見ようと、多くの観光客が訪れるだろう。
 そして、副市長さんだか市会議員のかただかが、ほくそ笑むに違いない。

 だけど、臭い話もたまにはいいじゃないか。
 クリスマスなんだし!