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ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

★★★当ブログはじつはリサイクル/アンティーク着物屋のブログです。記事をお楽しみいただけましたら最高。いつか、着物が必要になった時に思い出していただければ、なお喜びます!お店はこちらになります。★★★


忘れがちだけど、僕らはロングタイム・ゲームを戦っている

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 昨日、仲間と行った釣りだが、残念な結果になってしまった。
 長い話を超短くすると、明石沖で、スクリューに何かを絡めてしまったらしく、冷却水がだだもれの状態になってしまった。
 船に積んであったペットボトルの水を入れると少しだけ走れるのだが、すぐに白煙を吐いて走れなくなる。
 伊賀船長が周囲の船にSOSを出し、2,3隻の船が集めってきてくれて、ありたけの水をくれたが、水漏れはひどくなるばかりで、とても、明石沖から大阪まで帰れないことが判明した。
 もちろん、30分ほどやった釣り(Kさんがツバスを1匹あげた)も、そこで終了。
 海にはロードサービスはなく、船長は友人に電話をしてようやく、高速艇をもっている知人をつかまえ、彼が大阪からやってくることになった。
 その船に曳航してもらい、僕らもようやく大阪の出港地点まで帰ることができた。
 魚の活性は低かったが、幸い天気は良く、「ひょっとして、俺ら、遭難? 漂流?」などと、陽に真っ赤に焼かれながらビールをあおってのんびり馬鹿話。
 それはそれで楽しい一日だった。

 ところで、今回の釣りのイベントは僕が言い出しっぺだったので、手配をさせていただいたのだが、迷うことなくシーパラダイスの伊賀船長(社長)にお願いした。
 僕は伊賀船長とすごく親しいというわけではない。
 10年ぐらい前に、2回程度、お世話になっただけで、たしかそのうちの1回は、シーパラダイスの別の船長の船だったから、たしか伊賀船長本人には1回、乗せていただいただけなのだ。
 そんな付き合いだから、とくに伊賀船長の船を選ぶ強い動機もなかったし、ほかの釣り船と比べてから選ぶという選択肢もあった。
 
 それでも、僕が伊賀船長に選んだのは、この空白の10年の間にも、伊賀船長が、「ロングタイム・ゲームを戦っていた」からだと思うのだ。
 その空白の期間、伊賀船長は、僕に「船に乗ってくれ」というメッセージを送って来なかったが、僕のほうでは、また、時間が許せばいきたいなと思い、ときどきウェッブを見たりしていた。
 そして、この10年間の間に起きたことがふたつ。
 
 ある時、僕が伊賀船長の携帯に間違えて電話をした。伊賀船長は、携帯の電話帳に僕の名前を登録していたらしく、即座に、「和田さん!」と返してくれた。すでに船に乗って何年も経っていたので、僕のことを覚えていないだろうと思ったら、「着物の商売とか、ebayしてる和田さんですよね!しっかり、覚えてますよ」と返事が返ってきた。
 間違い電話だったので、用はなかったのだけど、電話を切ったあとも、なんとなく嬉しかった。

 その後、また何年か経って、今度は伊賀船長から僕の携帯に電話があった。
 あまりに突然だったので、きっと、間違い電話だろうと思った。
 すると、その電話はやっぱり僕にあててかけてくださったもので、以前、船に乗せてもらって話をしたことで、聞きたいことができて、わざわざ僕に電話をしてくださったのだった。
 そのことで僕に電話をくださったことが嬉しくて、僕はもちろん、知っていることはすべて情報を提供した。

 縁があったんだね、ですまされる話かもしれない。
 でも、僕は、伊賀船長が、意識的にか、無意識にか、「ロングタイム・ゲーム」をうまく戦っていたように思える。
 
 「ロングタイム・ゲーム」という言葉は、カナダの起業家のJustinさんの記事『Play the long game』に書いてあった言葉だ。ビジネスにおいてお客様を得るためには、ショートタイム・ゲームとロングタイム・ゲームがあり、ロングタイム・ゲームの重要性を忘れてはならない、とJustinさんは書く。
 たとえば、ウェッブのコンバージョンレートを上げたり、直帰率を下げたりする工夫をしたり、デザインを良くして使い勝手を向上させたり、それが即座に購買につながる施策をほどこすことを言う。
 いっぽう、ロングタイム・ゲームというのは、ある程度の長い期間に、お客様と様々な方法で接して、最終的に自社のサービスを選んでもらうようなことを言う。
 ちょうど、ゴルフと同じで、ひとつひとつのホールでの勝負はあるが、最終的な勝敗は、全ホールを回ってはじめてつく。
 ロングタイム・ゲームで顧客を得るためには、長期間の間にいくつかの『タッチポイント』をつくる必要があり、それが、顧客の心に共鳴するものでなければならない。それはビジネスストーリーの共有であったり、役立つ情報の提供であったりする。それはきっと、ブログを書いたり、FBに有用な情報を投稿したり、DMを送ったり、たまた会ったときにコミニケーションをしっかりとるようなことで実現できるのだろうと思う。


 そう考えると、伊賀船長は、たまたまあった10年の、たった2回の『タッチポイント』で、僕を忠誠心の高い顧客に変えてしまったとも言えるのだ。
 

 さて、釣りはほとんどできず、長い時間曳航されて、出港後10時間後にやっと帰港した僕らだが、世話人として、釣りの料金をどうするべきかみんなに相談した。
 伊賀船長の責任で起きた事故ではないし、エンジンの整備や曳航のお礼などで、相当の出費になるはずだから、当初約束した料金を払おう、というのがみんなの意見だった。
 到着後そういってお金を差し出すと、伊賀船長は、受け取れないと言う。
 まったく楽しんでもらえなかったので、お金を受け取るなんて、まったく考えられないと、固辞された。
 そして、こう言われた。

 「今回は、お金は受け取れません。でも、もしよかったら、そのお金で、また来てください。その時は、絶対に、楽しんでいただきますから」
 
 伊賀船長にお礼をいい、再度来ることを誓って、僕らは船着場をあとにした。
 そして、僕は思った。
 やっぱり、伊賀船長は、いつも揺るぎなく、ロングタイム・ゲームを戦っておられるのだなと。  



PS 伊賀船長の経営するシーパラダイスのHPはこちらです。仲間と海釣りをする時など、また、使ってあげてくださると嬉しいです! 釣りの初心者も充分に楽しませてくれますよ

■シーパラダイス ー ”大阪湾のシーバスチャーターボート&ジギング船、シーパラダイスのHPです。ボートシーバス&ジギングの楽しさを気さくなキャプテンたちがシーバス船&ジギング船で親切にガイドさせて頂きます”

 

photo by Patrick Shyu