麦とマストとコーリング
次女の麦のタンブラーのページの評判が良い。
どうやら、「Must」(しなければならない)が「Should」(すべき)をぶち破ったようだ。
「Should」というのは、外部的な要因でしなければならないこと、という意味。お金を稼がなくてはならないとか、仕事をしなくてはかっこ悪いとか、親としてこうしなければならないとか、社会人としてこうあるべきだとか。普段、僕らはほとんどの時間を、この「Should」に制約されて行動している。
いっぽう、「Must」は内面から突き動かされて、それをしなくてはならないと思うこと。外部から逆にそれに対して抵抗があっても、無駄になるかもしれないけど、とにかくしなければならないと感じて動くこと。
「働く」状態を3つにわけて、「Job」(ジョブ)、「Career」(キャリア)、「Calling」(コーリング)という言い方もある。「Job」(ジョブ)は、生活を支えるためだけにする仕事、「Career」(キャリア)は金銭的、社会的地位、名声の階段を上がるためにする仕事、そして、「Calling」(コーリング)はいわば、上に書いた「Must」に突き動かされて仕事をする状態である。
次女の麦は勉強が苦手で家族に対して劣等感をかかえて育った(本人がそう言う)。高校時代、進路を決めるとき、ヘアメイクアーティストとかスタイリストになりたいと言っていた。もちろん、家族のなかでは一番のファッションセンスの持ち主であったけど、それでプロになって生き抜いていけるかどうかはわからない。むしろ、親としては難しかろうと心配した。
とりあえず大学に進学することになったが、卒業時にまた進路で悩むことになった。
いつの間にか「着物」の業界と決めたらしく、決めた途端に突然エンジン全開となり某呉服チェーン店の内定をさっさとゲットしてきた。
で、その後、結局、家に帰ってきて、うちの仕事を手伝うことになったのだが、うちはウェッブショップなのでコーディネートやスタイリングの腕を発揮する機会はあまりない。
と思っていたら、最近になってTumblerのページを立ち上げて、自分が推薦するコーディネートの紹介を毎日アップするようになった。
業界の人たちからは、「いつの間にか麦ちゃん、立派な仕事するようになったね。人は成長するね」とか「麦ちゃん、素敵!頑張れ!」とか声をかけていただけるようになり、また、海外のアーティストの方からは、「予想もつかない組み合わせが、まさにアートだわ!NYの友だちのアーティストにも紹介したわよ!」などと嬉しいメッセージもいただけるようになった。
勉強は苦手で英語も苦手。大学時代には英会話教室に通わせたり、お客様のうちに1ヶ月ほどホームスティをお願いしたりしたけど、モノにならなかった麦の英語。
でも、聞けば、知らぬ間に、最近英語の勉強を再開して、個人レッスンを受けているという。タンブラーで英語のコメントをもらえることも多く、自分も英語で説明したいからだという。
もちろん、自分の娘のことだから、かなり盛っている。
盛ることで、娘にさらに良い影響がでるかもと、計算もしている。
でも、それでも、彼女のコーディネートは素晴らしいと思う、の、で、あ、る。
そして、ひょっとして、お前、「Must」に突き動かされて、「Calling」(コーリング)に辿り着いたの? と思う、の、で、あ、る。
ちなみに、この記事は前から気になっていたMediumの人気記事「The Crossroads of Should and Must」に触発されて書いた。この記事は長めだけど、「Calling」に辿り着いた筆者が、「Should」と「Must」、「Job」と「Career」と「Calling」について書いた素晴らしい記事。英語OKな方は一読をお薦めする。
ということで、僕はとにかく、皆さんが麦のTumblerのページ、
Welcome to Mugi's Kimono World!
をフォローしてくださったり、気に入ったコーディネートをTweetしてくださったり、いいね!してくださると、めちゃくちゃ嬉しい。
よろしく!