ICHIROYAのブログ

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社会的起業を志す若者は変なのか?「世界を変える」はバカなのか?

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 最近、気になっていることがある。
 社会起業を目指す若者が増えたことについて、否定的な言説をあちこちで見る。
 社会起業が増えていることにや若者のそういった意識が高まっていることは、先進国で共通の現象のようだ。
 おやじの僕(56才)は、そういった若者をとっても眩しくわくわくした思いで見ているが、非常に懐疑的な方も多いようだ。
 
 僕らの上の世代には、若者らしい理想を燃やす対象があった。
 マルクスの理想はまだ完全に死んではいなかったし、安保闘争もあって若者たちは「この薄汚い世界を変えてやるんだ」と学生運動に熱中した。
 僕らの世代には、悲しいかな理想はなかった。
 しょせん世界は変わらず、あるいは変えなくても、みんな充分幸せになれた。
 学生時代に2年住んでいた寮には学生運動の生き残りの何歳だかわかない闘士がいたが、23,4歳の僕は女の子のお尻を追っかけるのに忙しく彼らの話にぜんぜん興味をもたなかった。

 そして、いまの若者は、また「世界を変えたい」と思っているし、「社会起業」を志したりしている。
 何がいけないんだ、と思う。
 共産主義は資本主義に敗北した。
 でも資本主義の限界も、いまの若者たちは冷静に見ている。
 地球温暖化とかスウェットショップの問題とか環境問題とか少子化の問題とか。
 あるいは激しい競争の末、現在の企業が戦っているそのやり方とか、多くの若者たちを非正規雇用のまま放置しているエライサンがたのこととか。

 社会起業に否定的な人たちは言う。
 「企業の一員として、利潤を得て活動を続けることこそ、本当の社会貢献だ。企業のサービスに対価を払って利用している人に貢献しているし、利益から国や地方自治体に払われる税金も社会に貢献している。NPOでちまちまやるよりも、一般の企業活動のほうが効率よく社会貢献できるのだ」と。

 でも、若者でなくても、僕のようなオヤジですら思う。
 いや、それは「若者たちに社会の現実が見えていない」と言うのと同じぐらい、「大人たちは自分たちがやってきたことが間違っていることが見えていない」のだと。
 たしかに今まではそれで良かったのかもしれない。
 でも、その結果が今の社会で、たとえば、日本は少子化でにっちもさっちもいかなくなってきているではないか。たとえば、非正規雇用がこんなにも増えてしまったではないか。
 それはおやじたちの言う「それぞれの企業に入って、それぞれの企業の利潤を最大化することで、社会貢献をしてきた結果」なのではないだろうか。

 フローレンスの駒崎さんがブログでこんなことをおっしゃっている
 

 フローレンスは待機児童問題を解決するために、おうち保育園という小規模な保育サービスを行なっている。しかし、これを制度化 するためにアドボカシーを行った。2009年当時、保育園は定員数が20名以上でなければ保育園として認められなかった。けれども、都市部に集中する待機 児童の解消では、旧来型の大型園では十分な供給量をカバーするのは不可能だった。
 そこで、厚労省へのアドボカシーにより試験的事業を許可してもらい、定員9名で空き家を使ったモデル(おうち保育園)を江東区にオープンした。そしてこのモデルがワークすることを内閣府や主要政治家に紹介することで、彼らが「小規模保育サービス」という新しいカテゴリーをつくることを後押ししたのだった。
結果、今国会の三党合意において、これまで約70年間変わらなかった保育制度に風穴が空き、小規模保育は国策化されていった。

 
 「アドボカシー」とは「政策提言」のことだけど、それはまさにその提言に含まれるサービスを自ら行っていることで、効果的に国に認めてもらうことができるのだ、と彼は言っている。

 まさに、社会起業家が「世界を変えた」素晴らしい実例である。

 なぜ、若者が、彼のように「世界を変える」ことを志すことが変なのか、僕にはさっぱりわからない。

 そういえば、僕も仲間と立ち上げたNPOが ようやく認可されたので、まもなくサイトをオープンする予定だ。この「日本の価値あるアンティーク着物、染織品の画像を残す、世界に発信する活動」も、い つかは国に肩代わりしてもらうことを目標にしているのだが、利潤のみを追っていると絶対に実現できない目標だ。かといって、それを訴えるだけで、政治にそ れをくみあげてもらうようにすることも不可能だ。
 そういうことは、NPOがある程度道筋をつけるしかやりようがないと思っている。

 理想に燃える若者たちよ!
 どんどん、社会起業を志したらいいじゃないか!
  がんがん、世界を変えてくれよ!
 わからずやのおやじたちは、君たちのことを嫉妬してるだけなんだから!