SNSで『シェア』される情報とされない情報を分けるものはなにか?
自分で何かの考えを広めたい、あるいは、何か社会に良いことをしたいので、それを広めたいというとき、かつては、テレビや新聞などのマスコミに取り上げてもらうほかなかったのだが、最近では、SNSで話題になって一気に拡散し、マスコミにも取り上げられて・・ということが多くなった。
青臭いながら、僕もさまざまな良いことをもっと知ってもらいたいと思い、ブログを書いている面があるのだが、だいたい、広まって欲しいと思う記事ほど拡散せず、逆に、期待しなかったものがあれよあれよと広まって、逆に心配になることもある。
どんな記事が、拡散されるのだろうか?
それは、狙って、達成できるのだろうか?
そして、その内容が、ネガティブなものでなく、誰かの批判や失敗を笑うものでもなく、エロでも金儲けの方法でもなくても?
ニューヨークタイムズが、2500人(ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ在住の人、日常的にシェアしているひと)を対象に、SNSなどで『シェア』することの心理について調査をして、その一部が公開されている。
調査によれば、下記のような傾向にあるという。
冒頭の割合のひとたちが、情報をシェアするにあたって考えていることである。
73% シェアするにあたっては、じっくり考えてから行う
85% ほかのひとの反応を読むことで、情報やイベントの理解がすすむ
49% 彼らが気に入っているモノや、ひとびとの意見や行動を変える可能性のあるモノであれば、シェアして知らせて良いと思っている
94% 受け手にとってその情報がどれほど役に立つか慎重に見極めてシェアしている
68% 自分がだれで、何に関心があるかをよく伝えてくれると思う情報をシェアしている
73% おなじことに関心をもっているひとたちとつながることを助けてくれるので、情報をシェアしている
78% 現在は連絡をとりあっていないかもしれない相手ともつながっていれるので、情報をシェアしている
69% 世界により関与していると感じるので、シェアしている
84% 自分が関心をもっている問題の解決に役立つ方法のひとつと思うのでシェアしている
このレポートでは、シェアする理由を下記の5つにまとめている。
1.価値があり、楽しませてくれる内容を、ひとに教えたい
2.自分が何者かをひとに知らせたい
3.他者との関係を豊かに発展させたい
4.自己実現のため
5.理念やブランドを伝えるため
そこから見えてくるのは、ひとびとは深く考えもせずに、気軽にシェアしているものと思いがちだが、たいていのひとは、『シェア』するにあたって、非常に慎重に行動しているということだ。
そしてもちろん、シェアするもっとも大きな動機は、『自分』を知ってもらうため、『自分』の考えを広めるため、『自分』のつながりを深めるため、『自分』が誰かの役に立つためである。
そのために、ひとの役に立つコンテンツでなければならないことは、明らかだが、そこに『自分』がからんでいる分、さらにその要求されるレベルは高くなる。
ちなみに、日本はネットで『シェア』するということに関して、とても慎重な国民なのかもしれない。
もうひとつの 調査によれば(2013年4月実施、世界24カ国、18150人対象)、「最近1ヶ月で何かをシェアしたか?」という質問に対して、「はい」と答えた人の割合は、日本は最下位の30%とされている。
なんとなく、理解しやすい結果になっており、楽天的そうなブラジルや現在Twitterを遮断して問題となっているトルコが90%程度ととても高率で納得させられるし、フランスやドイツは懐疑的な人が多く、シェアには慎重なのかもしれない。
そして、日本は『シェア』に関しては、もっとも難関なのである。
ちなみに、同調査によれば、シェアされた情報の種類のうち、もっとも高率だったのは、圧倒的に写真であった。
詳しくは、上記のリンクの調査結果を読んで欲しい。
さて、僕にとっては、非常に示唆に富む内容であった。
あなたにとってはどうだろう?
この記事は、役に立つだろうか?
*上記の調査のことは、こちらのメディアムの記事で知りました。
*What is the most popular content shared on Social Media?
photo by Ryan McGuire