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ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

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やっぱり歴史は繰り返す~~いつの時代も新しいメディアは胡散臭いと思われてきた!

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 僕らは「たったいま起きていること」について、正確に認識するのが苦手だ。
 あとで振り返ったときに、あまりに自明なのに、体験している真最中にはそのことの本当の意味が分からないっていうことは、よくある。
 たとえば、インターネットやスマートフォンで現在起きていることの、何が重要で本質的な変化なのか、ということについても、わかるようなわかないようなである。

 今朝みつけたJonah Peretti氏がMediumに書かれた記事が面白かった。
 彼は、大人気になっているウェッブメディアBuzzFeedHuffington Postの共同創業者のひとりだ。

 Is History Repeating Itself?(歴史は繰り返す?)

 

 この興味深い記事は、1979年に出版された本『The Powers That Be』を参照しながら書かれたもので、(1)かつての巨大メディアがいかに作られたのか、そして、それが自分たちの新しいメディアの立ち上がりといかに似ているかということ、についてと、(2)なぜ、BuzzFeedが今後も大きく育っていくのか ということについて書かれている。

 日本でもいろいろと議論されているような内容で、そのことが綺麗に整理されているので、僕としてはとても面白い内容だった。
 英文がOKのかた、メディアやWebメディアにつてい興味のある方はぜひ、原文にあたっていただきたい。

 長い文章なので、省略した部分も多く、また、プロの翻訳者ではないので、間違いもあるかもしれない。限られた時間と能力で、皆さんと共有したいと思って訳したので、そのあたりはご勘弁願いたい(不足や間違いはお教えいただければ修正、追記します)。
 では、どうぞ。
 

(1)かつての巨大メディアがいかに作られたのか、そして、それが自分たちの新しいメディアの立ち上がりといかに似ているか

 

 現在の巨大メディア企業、Time、Inc. CBSなど も最初は小さなスタートアップ企業だった。そして、ちょうど今のように、様々な小さなメディアが乱立していた。どの会社が大きくなるかは、幸運、才能、ハードワークなどによって決まるだろう。だけど、それはBuzzFeedがそうなると信じている。

 1920年代、Timeは小さなオフィスでクリッピングサービスを始めた。たくさんの新聞を見て、重要なものを要約して、もっとも読みやすいフォーマットに書き換えた。  BuzzFeedも7年前にクリッピングサービスの会社を小さなオフィスで始めた。新聞を読む代わりに、インターネットを探して、もっとも面白い話をみつけ、もっとも読みやすいカタチに要約した。
 若者たちが始めたその小さな会社は、どちらも野心的だった。どちらもオリジナルな記事をつくりはじめ、長い特集記事を委託し、海外の特派員チームをつくった。我々の場合、チャイナタウンの小さなオフィスで要約記事を書いていたころから、わずか2,3年後には、シリアやウクライナからのオリジナルのレポートを伝えていた。そして、どちらの会社も、「もっとも影響力のある100人」(Time)や「その存在を信じられない42人」(BuzzFeed)という魅力的なリスト記事をつくった。

 Time社の大きなブレイクスルーは、「Time」の創刊から13年後に起きた。印刷技術が進歩したことで可能になった新しい雑誌、世界のトピックスを写真で伝える雑誌「Life」誌を創刊した。安物の紙の雑誌に、つやつやした表面のいきいきした写真をのせるということが、当時では、とても画期的だったのだ。

 BuzzFeedのブレイクスルーは、スマートフォンが普及して写真や動画を簡単に表示できるようなったことで起きた。我々のリストやクイズ、動画が、突然、何十億という数の視聴者をもつことが可能になった。ソーシャルとモバイルが合体することで、それがわれわれの最大の配信メディアになったのだ。

 「The Powers That Be」を読むと、メディア会社のさまざまな歴史と教訓を読み取ることができる。たとえば、ビジネス面を無視した会社は生き残ることができない。それは明らかと思えるけれど、反対もまた真なのだ。ビジネス面ばかりに気をつかった会社は、やはり生き残ることができなかった。巨大なメディアとなった会社は、収益面ととその内容の良さの両方に目配りしていた。

 New York Timesはその良い例だ。第二次世界大戦が始まったころ、Timesはヘラルド・トリビューン誌と激しい競争をおこない、No1の座を保っていた。それはTimesがよいビジネスをおこなっていたからだ。New York Timesはニューヨークで商売をする衣料品会社の宣伝をトップページに掲載しており、ニューヨークで衣料品ビジネスをしようと思えば、New YorkTimesを買い、読んで、自分もそこに宣伝を載せるしか方法がなかった。しかし、New York Timesは宣伝のために内容も犠牲にしなかった。戦争が進み、新聞は配給制になった。新聞は薄くなり、何を残すかの決断が迫られた。トリビューンは宣伝を残し、ニュースを削った。Timesは、ニュースを残し、宣伝を削った。そして、最大限、戦争に関するニュースを掲載した。Timesは数年間財政危機に陥った。が、戦後、Timesは比類なき新聞となり、より多くの講読者、多くの宣伝収入を得るようになり、さまざまな面で世界1といえる新聞となった。

 

 1928年、William Paleyが家族経営のシガービジネスをやめて、CBSラジオをつくったとき、ラジオ・ビジネスが大きなものになるとは思われていなかった。数年後、記者(Murrow氏)が英国プレスクラブへの加入断られている。そのとき、ラジオの記者はほんとうのジャーナリストとは認められていなかったのだ。保守的なひとたちはいつでも、単なるファド(一時の流行)、大衆扇動の道具、あるいは、(それがメディアであるならば)それはジャーナリズムの終焉を意味するとか言って、新しいテクノロジーで生まれたメディアを否定してきたのだ。そして、その考えはいつでも間違っていたと証明されている。

 Murrow氏についていえば、やがてラジオからテレビに移った彼は、新聞記者がもっていなかった能力、マイクやカメラの前で流暢に話すスキルを持っていた。彼の同時代人が彼のことを評してこのように言っている。

「Murrow氏は新聞に対して3つのアドバンテージを持っている。(1)時間(短時間で伝えることができる)、(2)海外のニュースを地方紙に頼っていた何百万というひとたちにリーチできる、(3)自分でヘッドラインを考えて伝えたいように伝えることができる(新聞なら本社の編集に送る)。

 

 ちょうどいま、同じような現象が起きている。

 伝統的なメディア会社は、新しいメディアを、まず拒否し、その後、利用しようとする。ブログ、Twitter,ソーシャル、モバイル、ウェッブ動画。そうした新しいフォーマットをつくるパイオニアたちは、伝統的なメディア会社が何を考えているか気にしないし、先入観なしに新しいテクノロジーを使ってどんなコミニケーションができるか、ごくごく楽天的に考える。

 もちろん、今述べたような歴史が、現代でまったく同じように起きるとは思っていない。現代では、かつてのように少数のメディアによる独占はおこなわれておらず、メディアは多種多様で、その競争はかつてより激しく壊れやすい。宣伝によって顧客にリーチする方法もさまざまで、広告主も少数のメディアに依存する必要はない。
 実際のところ、この業界で働いている賢いひとたちのなかには、これからの時代に巨大メディアをつくることは不可能であって(そういうゴールデンエイジは過ぎ去った)、真に技術を持った会社にだけ成長は限られると思っている人もいる。

 

(2)なぜ、BuzzFeedが今後も大きく育っていくのか

 しかし、この悲観的な見方は間違っている。それは何を失ったか(独占による広告費の自由な設定など)に焦点を当てすぎていて、我々が何を手にしたかについて無視している。そういう考え方は、心理学的なトラップにとらわれているのだ。何を手にしているのかについて、述べてみよう。

 

(I)テクノロジー

  
 われわれは数年にわたって、さまざまなフォーマット(リスト、クイズ、動画、長文、フォトエッセイなど)を試し、分析しその効果が最大になるように模索してきた。それは巨大な投資であったし、われわれが蓄積したものはかんたんには真似できないだろう。

 

(II)スケール

  かつてのメディアは100万人の読者は十分の大きく、1000万の読者に届けば、ビッグ・ヒットだと言われていた。しかし、現在のネットの技術では、その10倍から100倍(10億人!)に届けることも可能になった。識字率の向上、教育の普及、ネット接続人口の増加、ソーシャルやモバイルの一般化のために、地球規模の視聴者への配信が可能になった。BuzzFeedは1950年代の Time, Life, the New York Times, the Washington Postの読者数の合計を上回る人数のひとたちにリーチしている。アメリカでは、MTV、CNN,Comedy Centrayなどより多くの視聴者を獲得しているし、世界規模ではどんな雑誌や新聞よりも大きな読者をもっているのだ。

 

(III)多様な最高の才能

  たくさんの読者だけでなく、さまざまな才能のさまざまなプロフィールの記者を抱えている。かつてのアメリカでは、WASP(アメリカ社会の中心的存在と見なされるアングルサクソン系白人プロテスタント)でなければ、記者になれない時代があった。それはWASPを中心読者とみなしていたからでもあった。 
 しかし、喜ばしいことに時代は変わり、われわれは、様々な人種、宗教のひとを世界中の様々な場所から選んで記者になってもらうことができる。多様性を確保しつつ、世界最高級の才能をもつひとたちを雇うことができるのだ。テクノロジーとわれわれのスケールがそれを可能にしている。

 

photo by Redfishingboat (Mick O)