ソチオリンピックで最も注目されている選手をみんな知らない
写真のこの男をご存じだろうか?
知らないでしょ。
(通ぶるのはやめて、白状すると、恥ずかしながら、僕も知らなかった)
開幕したソチオリンピックで、もっとも注目されている選手のひとり、アイスホッケーのカナダチームのキャプテン、シドニー・クロスビー選手だ。
もちろん、北米プロリーグNHLの選手で、26歳のスーパースターだ。
僕は大学時代にアイスホッケーをやっていたのだが、当時のスーパースターはグレツキーで、あまりの偉大さに「The Great One(偉大な男)」と呼ばれていた。
クロスビー選手はグレツキーのあとを継ぐ選手ということで、「The Next One」と呼ばれている。
数々の得点記録をあげていることはもちろん、なんと19歳(NHL史上最年少)でキャプテンに選ばれているから、その実力のほどがわかるというものだ。
男子アイスホッケーは冬季オリンピックのもっとも人気のあるスポーツのひとつだが、残念ながら日本ではまったく人気がない。女子ががんばっているが、男子の日本チームはオリンピック出場には到底手が届かないので、話題にもならず不人気の悪循環に陥ってしまっている。
そのため、準々決勝から決勝までの試合は衛星放送で見ることができるが、予選のリーグ戦は限られた試合しか見ることができない。
今回の放映予定はなぜかAグループのみで優勝候補筆頭のカナダ、注目を集めるシドニー・クロスビー選手の勇壮は準々決勝まで見ることができない。
( 追記:NHK地上波でも見れる試合があります!番組情報チェックしてください!)
クロスビー選手は前回のバンクーバーオリンピックにも中心選手として出場していた。
決勝戦をアメリカと争ったカナダだが、2-2の引き分けでサドンデスになり、7分40秒、チームメイトから回されたパスを冷静に決めて優勝を果たしたのは、クロスビー選手のゴールによるものだったのだ。
カナダの人たちにとっては、ホッケーやオリンピックの歴史のなかでというよりも、カナダのスポーツの歴史にとっての最大の功績とみなされているようだ。
クロスビー選手は、あの歴史的なゴールをきめたパック(Golden Pack)は、どうしたのかと訊ねられてこう答えている。
「そういや、あれから見てないね。でも、悪くとらないでくださいよ、あの時のことはとっても誇りに思ってます。・・もう一個取ればいいんだよね!」
もちろん、彼も、そのパックが「ホッケーの殿堂」に飾られているかもしれないということは知っていたのだけど(実際にそうされている)、彼が言いたかったことは、もちろん、それは過去に達成したことに過ぎないってことだ。
おしもおされぬスーパースターのクロスビー選手だが、彼はプライバシーを守ることにかけてはNHLのゴールキーパーのように鉄壁で、様々な憶測を生んでいるところも面白い。( シドニー・クロスビーにガールフレンドはいるのか?(英語))
さて、下馬評はどうだろうか。
ブックメーカー(賭け)の倍率をみると、優勝候補の筆頭はやはりカナダ。2位が開催国ロシアで、3位スエーデン、4位アメリカと続いている。
そして、ロシアには、彼と同じくNHLペンギンズのチームメイト、マルキン選手がいるし、アメリカチームはペンギンズのヘッドコーチ、Dan Bylsmaが監督を務めている。
クロスビー選手はそういった仲間を敵に回して戦わねばならないのだ。
下馬評は高いが、順調に勝てないのがオリンピックである。*1
どんなドラマが待っているのか、楽しみで仕方がない。
ここまで言っても、たぶん、たいていの人は、男子アイスホッケーに興味はない。
そういえば、僕も、自分でプレーしたり、リンクで直接そのプレーを見るまでは、その迫力やスピード感を知らなかった。なんだか、テレビでの中継を見ていると、その臨場感が十分伝わらないんだよな。
本当は、もっともっと、スリリングでエキサイティングなスポーツなんだけど。
まあ、良かったら、見てください。
女子アイスホッケーだけでなく、男子のアイスホッケーも。
(参考サイト)
*Sidney Crosby on Sochi and the chance to repeat in Russia
*Sidney Crosby: Profile of Canadian Hockey Olympian for Sochi 2014
photo by Take England