ICHIROYAのブログ

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スカイダイビングでパラシュートが開かない!戦慄の事故の詳細と感動の一部始終

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 2009年にテキサスで起きたスカイダイビングの事故の様子を当事者ふたりが詳細に語った記事の翻訳です。あまりにリアルな成り行きに戦慄。そして、最後に大きな感動が待っています。(元サイト:When The Parachute Failed, A True Sacrifice


シルリー:
私はテキサス州の郵便配達員です。スカイダイビングなんてするような人間じゃないんです。

デイビッド:僕にとっちゃスカイダイビングはほとんど心理療法みたいなもんです。だって、スカイダイビング中は、「しまった、オーブンつけっぱなしだった、とか、やらなきゃらならない仕事が・・・」なんて思わなくてすむでしょ。

シルリー:私の長男が30歳の誕生日にスカイダイビングに行ったんです。2年前、次男が30歳になったとき、自分も行くからママもどうかって、誘ってくれたんです。夫が「ええっ、ほんとうに君も行くの?」って言うから、「もちろん!」って答えちゃったわ。

デイビッド:彼女は明らかに神経質になっていました。出来る限りなんでもないように振る舞おうとしていることがわかりました。

 

シルリー:デイビッドは私のところへまっすぐにやってきて、私の眼を見て、手を出して自己紹介をしたわ。

デイビッド:これから飛ぶことに神経質になっている人に僕がいつもわかってもらうことのひとつは、僕らはしっかりつながっていて、けっして僕から離れることはないってことです。そして言ったんです「何にもまずいことは起きません、だって、そんなことが僕に起きないことを僕は知っているんですから」


シルリー:それから私たちの飛行機は離陸して、雲の上に来たんです。そして、ああ、飛ぶんだって思ったの。

デイビッド:僕たちはドアのところへ行って、彼女の前で腕をクロスさせ、頭を僕の肩に固定し、ハーネスをロックし、そして、飛び出しました。

シルリー:「ワン、ツー、スリー!」そして私たちは飛行機の外へ飛び出しました。はじめてのフリーフォール。でも、それは落ちているっていう感覚ではなくて、とっても強い風の吹いているトンネルかなにかにいるような感じでした。そして、とても美しくて、早くパラシュートが開いて、その素晴らしい光景を早くゆっくり見たいと思いました。

デイビッド:メインのパラシュートを放出しました。滑らかなグライディングに移行するものと思っていましたが、まるでブロック壁に激突したような衝撃を受けました。パラシュートは半分しか開かず激しくはためていました。

シルリー:私たちはぺちゃんこになるのではないかとおもうほど、凄いスピードで回されました。

デイビッド:僕はそのメインのパラシュートを切り離して予備のパラシュートを開けばよいとわかっていました。でも、あまりにも激しい衝撃とともにパラシュートが開いたので、僕の右手のそばにあるはずの予備のパラシュートのハンドルが、ハーネスの下に引きずりこまれてしまっていたのです。

シルリー:私には彼の唸り声が聞こえ、なんだか激しく動いていることがわかっていました。「うー」と言って、何かを取ろうと一生懸命になっていたのです。

デイビッド:そして、彼女が聞いてきたのです。大丈夫なの、って。僕は正直に答えました。オッケーじゃない、とても困ったことになっている、と。

シルリー:そう聞いた時、まさに世界が停止しました。私が考えることができたのは、夫は私に死んでほしくないだろうなってことです。そして、なんでこんなことをしたんだろう、いったい何が起きているんだろうと思い、実際に起きていることが信じられませんでした。

デイビッド:僕は自分たちがとても危険な状況にいることがわかっていました。そして、たぶん、うまい終わりかたをしないだろうことも。

シルリー:私は最近亡くしたママのことを考え、またママに会うことを考え、自分もママのように死ぬんだと思いました。そして、子どもたちのことも考えました。子どもたちと3人の孫たちのこと、下で待っている夫と息子たちのことを。ああ、神様、下にいるみんなの前で死にたくない、と。そして、これは夢ではなく、この地球で私の最後の日、最後に瞬間になることがわかりました。

デイビッド:彼女のふたりの息子さんとご主人さんが下から僕らを見上げていて、「なんてことだ!彼女が死んでしまう!」と思っていることがわかっていました。そして、僕は何にもできなかったのです。僕たちはすでに3000フィートは降下していました。そして、なんとか予備のパラシュートを放出したんですが、不幸にも、そのパラシュートもメイン・パラシュートに絡んでしまったのです。僕は地面を見ました、そこは田園エリアで、家や納屋や有刺鉄線のフェンスなどがあり、僕らはそれらに激突して死んでしまうと思いました。仕方がない、これは運命だ、僕は確信しました。しかし、どちらかが生き残る可能性があるとしたら、僕は生徒の命を救うべきだ。僕がいまできることはそれしかない。僕は態勢を入れ替えて、僕の身体を彼女の下に入れました。そして、彼女に足を上げるように言いました。

シルリー:「ラフ・ランディングに備えて!シルリー!」と彼が叫びました。*** 気づいたとき、私はちょうどデイビッドの上に乗っていました。彼は仰向けに地面に寝ており、私を抱きかかえるように上に乗せていました。私には彼の激しい息、なんとかして息をしようと苦しんでいる音が聞こえました。「なんとかしなくちゃ、彼を助けおこなさなきゃ」そう思ったことを覚えています。

デイビッド:病院で意識が戻った時、母親がベッドのそばにいてくれたことに気がつきました。肺が潰れていたため気管切開されていて話すことができませんでした。手足も動きませんでした。母が私に言ってくれました。首の骨が折れていて、四肢まひとなった、と。で、私は考えました。「まあ、そんなに悪くはない。だって、生きてるし!」

シルリー:集中治療室から出てから、彼に会いに行きました。彼は話すことができませんでしたが、その目がすべてを語っていました。私の首のギブスを見た彼の頬には、涙が流れました。彼は私が怪我をしたことを申し訳なく思ったのです。私には信じられませんでした。彼自身、あれほど激しく傷ついているんです。なのにひとのことを心配できるなんて。私は彼を抱きしめ、キスをして、彼を愛してると言いました。私は周囲の人のことを気遣うたちだと思っています。でも、今回のことは想像を超えています。私たちが落ちていっているとき、彼はどんなことを考えていたんでしょう。彼は何が起きるかわかっていて、私を救い出そうとしたんです。そして、自分が私の代わりにすべてを引き受けようしたんです。そう、私の代わりに、私のような小さなおばあちゃんの代わりに。この日から、彼のことを考えない日は一日もありません。


photo by Sonja Stark (写真はイメージです。お二人の写真は元サイトでどうぞ)