火星への片道切符冒険に応募したふたりの日本人女性が凄い!
歴史上、もっとも有名な募集広告は、こういうものだったという。
求む男子: 危険な旅。僅かな報酬、極寒、暗闇の長い日々、不断の危険、安全な帰還の保証無し。成功の際には名誉と賞賛を得る。
この新聞広告は、第一次大戦中に、南極大陸の横断隊を組織した冒険家シャクルトンが自ら考え、ロンドンの新聞に掲載されたものだ。
この募集には、5000人が応募し、200倍の倍率となった選考を経て、25人が合格したという。
シャクルトン隊は遭難しながらも、奇跡の全員生還を成し遂げる。
たしかに、募集の短い文章の中にも、シャクルトンの非凡を読み取ることができる。
さて、今年、もっとも話題になった募集広告を、シャクルトン流に書くと、こうなる。
男女問わず求む:危険な旅。僅かな報酬、事故がなければ快適な空間での長い日々。帰還の可能性なし。ミッションの成否にかかわらず、名誉と賞賛を得る。
ご存じ、マーズワンの火星へ人類を送り届ける宇宙飛行士の募集の話だ。
2023年に男女各2名、計4名の人間を火星に送り、火星上に基地をつくって生活させる計画だ。
火星から地球に帰還する可能性はなく、完全な片道切符での旅となる。
この計画に、全世界から、20万人が応募したと話題になっていたが、1058人に絞り込まれたというニュースが報じられた。
報じられているその内訳は、
63%が学士号をもつ。
76%が被雇用者で、15%が学生、8%は自営もしくは無職。
43%がアメリカ人で、27%がヨーロッパ人、21%がアジア人で、5%がオセアニア。107の国から選ばれた。
34%は25歳より若く、65%は26歳から55才で、2%は56才以上。
そこに日本人が含まれているのか、興味のあるところだ。
もちろん20万人の応募の中には日本人も含まれており、応募者の一覧のページでは15人ほどの日本人の応募者を見ることができる。
女性もふたり含まれており、なんとお二人とも、僕の年齢に近い(49歳と53歳)。
彼女たちが選考に残ったのかどうかはわからないが、これに応募されて、ちゃんと既定の1分の動画を送っておられ、まったく本気であることにびっくりした。
Kayさんは53歳。建築プロジェクトリーダー。日本生まれで、アメリカ市民。科学の信奉者であり、長年の自転車乗りでもある。健康で長生きの家系。私こそ最高の宇宙飛行士よ!
Etsukoさんは49歳。火星で最初の寿司バーをオープンさせるわよ! 沖縄生まれで、メキシコに住んでいるシェフ。修験道もする。普通の人間が挑戦し続けたらどんなことができるか、地球のみんなに知って欲しいの!
暖かい部屋でパソコンにむかって、ぱちぱちやっている自分が、なんとも情けない。
さて、2013年も今日で終わり。
来年は、胸躍る冒険に乗り出すことにしましょうか!
よいお年を!
photo by Tom Blackwell