愛は人生を救う!(ジャーマンシェパードとアヒルの愛の物語)
うちにはラブラドールレトリーバーがいるが、彼女を見ていると、ほんとうに人間そっくりの喜怒哀楽があるのだなと思うことが多い。
たかが犬と言っても、人間も犬もまったく別々にできたわけではなく、途中までは同じ進化の道筋を通り、多くの部分を同じ仕組みが担っているのだから、心の根源的な部分の本質が同じであっても、とくに不思議ではない。
じつは、「ラブラドールに学ぶ、できなくても上司に愛される10の方法」という記事を書こうと思ったのだが、今朝、海外ニュースをあさっていたら、もっと、ワンダフルなネタをみつけてしまったので、紹介したい。
蓼食う虫も好き好きとは言うが、わざわざ、こんなものを、こんなひとを愛さなくても良いのに、と思ってしまうことがある。
ついつい、自分の好み、世界観で他人をみるとそういう感情を抱く。
しかし、ひとはとにかく何か、なにものかを愛さずにはいられないし、愛することで救われるのだ。
ジャーマンシェパードのレックス君とアヒルのジェラルディンちゃんのお話が、そのことを雄弁に教えてくれるのだ。
レックス君は愛情に恵まれずに育てられて、だいぶん、「ぐれていた」。
野生のウサギを獲って食べたり生活しており、近づくものすべてに、牙を剥いていた。
ドッグシェルターでも手におえず、いよいよ、安楽死しかないと思われたある日。
アヒルのジェラルディンちゃんが、レックス君に近づいた。
いままでのレックス君なら、近づく鳥は、ことごとく、「食べていた」。
だが、恐れを知らぬジェラルディンちゃんは、平然とレックス君に近づき、なんとその純白の暖かな羽根で彼を抱きしめた。
そしてふたりは愛し合うようになった。
レックス君はいつもジェラルディンちゃんの頭を舐め、ひとつの器から一緒にご飯を食べ、一緒に寝る。
そして、愛を得たレックス君は、それまでの荒れた生活がおさまり、人が近づいても吠えることはなくなり、穏やかな性格に生まれ変わった。
おかげで、安楽死の話はなくなり、レックス君は救われた。
レックス君は11歳にして、人間でいえば、50才にして、愛を知り、ほんとうの自分となることができたのだった。
この話にはまだ複雑な事情がある。
じつは、レックス君は既婚者で、べラさんという奥さんがいたのだ。
レックス君がジェラルディンちゃんにぞっこんなのは仕方がないとしても、ジェラルディンちゃんがベラさんに辛く当たっており、いまではベラさんは、ジェラルディンちゃんを恐れているという。
シェルターのひとたちは、ベラさんを慰めるのにたいへんな思いをしているということだ。
まあ、現実は上滑りな美談とは異なり、すべてが丸く収まっているわけではないが、それでもレックス君は教えてくれる。
やっぱり、愛の対象はひとそれぞれなのだ。
そして、どれほど愛に恵まれない人生を送っていたとしても、それがそろそろ老境にはいろうかというときまで続いていたとして、愛は、犬を、そして、たぶんひとをも救い、そのあるがままの姿に戻してくれるのだと。
素敵だ。
*記事はこちらです Dog on death row is saved after falling in love with a GOOSE
こちらのページで愛し合うふたりの生活を撮った写真が見れます
the first photo by Mark Lincoln
the secnod photo by Cinzia A. Rizzo / fataetoile