ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

★★★当ブログはじつはリサイクル/アンティーク着物屋のブログです。記事をお楽しみいただけましたら最高。いつか、着物が必要になった時に思い出していただければ、なお喜びます!お店はこちらになります。★★★


あなたに会社を変えることはできるだろうか?

f:id:yumejitsugen1:20131008064327j:plain

 

 

会社を変えることは難しい。
大きな組織で与えられた仕事をこなしていると、その仕事にほんとうに意味があるのか、そのやりかたで良いのか、懐疑的になってくることもある。
あるいは、会社のやりかたそのものに、大きな疑問をもつこともあるだろう。

もし、僕が、娘のダンナになかなかの好青年の会社員を持ったとしたら、会社や上の意向をよく踏まえて、部下だけでなく、上にも好かれるように立ちまわるように、くどくどとアドバイスするだろう。

とくに、若い頃は、若い仲間内での価値観に縛られており、なかなか危険だ。
上に反発し、部下やチーム同僚を守り、正義を通すことが、かっこ良く思える。
いろんな本やドラマが送ってくるメッセージは、「筋を通せ」「信念を貫け」「権威に媚びるな」「権力者の横暴を跳ね返せ」。

しかし、「信念」は「頑固」と紙一重だ。
とくに、なにかを成功させて鼻が高くなっているときがアブナイ。
自分のやり方で、これほど大きな業績を達成したのに、何が問題なのかと。
論理的に考えたら、会社を変えることもできるかのように思える。

だが、人間は、弱く、嫉妬深く、矛盾に満ちた存在だ。
そんな人間の集合に過ぎない会社も、矛盾に満ちている。
一朝一夕で、人間は変わらない、会社も変わらない。
そして、なかでも、トップは、よほどの奇跡がない限り、変わらない。

会社に入って、もし、組織で将来大きな影響力を持ちたい、出世したいと思うのなら、なるべく早くに、そういった認識を持ち、学生時代の価値観から離脱することが必要だと思う。
上司の意向、経営層のビジョン、トップのやり方を充分に理解して、それを自部門におろしていく。そして、それを滑らかにするためには、ゴルフなどの付き合いで、「お~~ナイスショット!」などと言う必要もあるだろう。

となると、周りからは、「ヒラメ! 上ばかりみている」などと言われるかもしれない。
だが、もし、働いているうちに、自分の主義や理想がはっきりとかたちになり、あるいは自分が理想とする事業のかたちを思いつき、それをその会社で実現しようとしたら、そういうことも含めて、野生の鹿のように注意深くヒノキを苗から育てるように長期間にわたって努力を続ける必要がある。

会社が変わる方法は、究極を言えば、次の3つしかないと思う。

1.自分が出世してトップとなる
2.何かの事情でトップが交代する
3.会社を辞めて、自分が会社を興す

「自分がトップの考えを変える」というのは、残念ながら、実現可能性は低いと思う。
尊敬するある上司がこう言ってくれたのがいまも記憶に残っている。
刺すことはできるかもしれないが、返り血を浴びずにいることは不可能だ」と。

さて、なんでこんな話かというと、雪見さんの記事

よい上司をもったことがある私から

に、部下を守り、すべての責任を自らとり、雪見さんなどの部下から、とても信任の厚い上司の話がでてくるのだ。
雪見さんはその方のことを、「よい上司」と言っておられ、「できる上司」とは違うかもしれない、とおっしゃっている。
でも、「できる上司(イメージは僕のこの記事)」よりも、部下の働き方・成長に最大限配慮する「よい上司」が、これからの社会の上司のロールモデルになる可能性を見ておられるようだ。
しかし、雪見さんの場合でも、この部下を守りぬいた「よい上司」は、上層部の意向を理解しないものとして、けっきょく、退職に追い込まれてしまっている。


雪見さんのこの話で思い出したのが、おなじくブログ友達のshobunoさんの連載記事、

今はなき株式会社Mの物語

だ。
16回と長い連載記事だが、あるシステム会社Mに入社したshobunoさんが、どのように地獄の研修を切り抜け、どのように仕事のスキルを磨いていったのか、手に取るようにわかる素晴らしい記事だ。
この記事のなかで、shobunoさんは、雪見さんもおっしゃっている「よき上司」「よきリーダー」になっていくのだが、会社の社風は、徹頭徹尾トップダウン型。彼の「部下を生き生きと働かせるやり方」は、会社の中では異端で、まさに、「たった1人の戦い」になっていくのだった。
そして、全社会議で、社長からはこんなことが語られる。「どうも、会社の組織を下から壊そうとしているヤカラがいる様に思える。組織の改革は上からの指示で行うべきである。「組織つぶし」を考えている者を私は許さない。」
さて、shobunoさんの運命は・・・(この部分だけ知りたいかたは、連載の11ぐらいからお読みください)

 

shobunoさんの運命はぜひブログを読んでもらうとして、雪見さんのおっしゃる「よいリーダー」像は、将来、社会の枠組みが変わった時に、ロールモデルとなりえる可能性はあると思う。
だけど、人間・組織の不完全さはそれをギリギリまで阻むだろうし、たったいまの社会の枠組みのなかでは、「いい人だけど、会社的にはできないひとだね」で終わってしまう。


さて、その当たりの話はそれぐらいにして、今朝、見つけた面白い記事を紹介したい。

How To Change A Company(どうやって会社を変えるか)


上に書いたように、成熟した組織人になることが、会社を変えるための、遠いけれど一番確実な方法だと思うのだが、このブログの著者も、会社は一足飛びには変わらない、と書いている。
ただし、諦めることはない。自分に許されたことを、コツコツと、トライせよと説く。
なるほど、こういう働き方をすれば、少しづつ会社を変えていくことはできるかもしれない。
ただし、shobunoさんが直面したような、トップの壁はがんとして存在するだろうけれども。
ご参考までに。

1.自分の権限内で始める

マネージャーなら自分のチームを、取締役なら、まず自分のビジョンを変える、そしてまだ平社員だったら、ミーティングや自分の判断の内容を変えよう。自分が影響力を発揮できる範囲のものに焦点をあてよう。

2.自分のチームで試してみよう

新しいアイディアを、みんなが慣れた小さなプロジェクトに使ってみよう。必要なら、上司や同僚にそうしてもらうように頼もう。ほかの変数をできることならコントロールして、新しいやりかたがプロジェクトに与える影響がわかるようにしよう。また、何を期待しているのか、事前に明確に説明しておこう。

3.良い結果を出そう

よい結果が出たときに、その効果を、プロジェクトに無関係だったひとにも、どのように説明できるか考えよう。もし良い結果が出たら、あなたのボスや同僚は、そのアイディアを続けて使うだろう。もし満足のいく結果がでなかったら、何故だったのかを考えて、次のアイディアを試そう。

4.同僚やリーダーに結果を見せよう

真に良い結果が出たなら、ちゃんとしたリーダーなら、あなたのアイディアに興味をもつはずである。そのとき、丁寧に説明して、他のリーダーたち、同僚たちもその方法を共有できるように最大限のヘルプをしよう

5.このことを何度も繰り返そう

こうして自分を応援してくれる人が増えたら、また、(1)に戻って、つぎのアイディアに挑戦しよう。そのときは、すでに何人かのリーダーや同僚はあなたを助けてくれるだろう。

 


(写真はアンティークの半纏染見本帳より