ICHIROYAのブログ

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ところがどっこい、町の本屋さんは、死なない

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もし、僕が本屋さんを始めると言えば、きっとみんなが気は確かかと言うだろう。
アマゾンさんと電子書籍にやられちまうと決まったビジネスに、なぜ今頃参入するのかと。
実際に、日本の書店の数は、図のように減り続けている(参照元

しかし、本家USAアマゾンのお膝元では、独立系の書店が息を吹きかえしつつあるのだ。
この話は、出版や書店経営の専門家のかたはご存知かもしれないけど、僕を含め、知らない人も多いと思うので、今朝みつけたいくつかの記事から抜粋して、お届けしたい。

*(1)Independent Bookstores Are Growing in the Amazon Age
*(2)Amazon Slayed a Negative 77 Indie Bookstores in 2012(9/23/2013)
*(3)The indie bookstore resurgence (9/20/2013) (フォーブス

ABA(アメリカ書店協会~American Booksellers Association)によると、独立系の書店の数が、ここ数年増えているという。2012年の独立系書店の売上も2012年は対前年8%伸びているという。
大手のチェーン店、Barnes & Nobleは苦戦し(参照)、Bordersが破綻してしまったように、リアルな書店というのは、アマゾンに駆逐される運命と思っていた。

ABA(アメリカ書店協会)の会員数は1995年の5500から2002年には2191と半減。
しかし、2005年には底を打ち、その後は回復基調にあり、現在、1632。
この会員数は、独立系書店の総数のもっとも近い概算値と目されている。


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上記の記事などには、その理由をこのように書いている。
大手チェーン店がやってきたような販売方法は、アマゾンがはるかに効率的に実現した。そのため、大手のチェーン店のお客様はアマゾンへ流れてしまったが、アマゾンではできていないことがある。
それは、書店員、書店店主などによる、本の提案や、地域のコミュニティーとの連携だったりする。
最近オープンした独立系の書店では、従来のリアルな本だけでなくPOD(プリント・オン・デマンド)ブックや、グリーティングカード・キャンドルなどという雑貨まで扱っている。そして、そういうサイドアイテムの売上が、ある程度の割合をしめるようになっているという。

そう聞くと、真っ先に思い浮かんだ書店がある。
京都の恵文社一乗寺店である。イギリス・ガーディアン誌の「The world's 10 best bookshops」(世界の素晴らしい本屋さんベスト10)にも選ばれた本屋さんで、知的好奇心を満たしてくれる独自のセレクトの本を、雑貨とともに販売されている。
いつだったか、その評判を知らず偶然に店に入って、あまりの素晴らしさにびっくりしたことがある。
はてなブログにも、スタッフの方のブログがあり、情報を得ることができる。

アメリカで増えつつあるのは、恵文社一乗寺店さんのような、特色のある、お店に足を運ぶ価値のある書店であるに違いない。
アマゾンで便利に安く買えるのはまったくありがたいことだけど、町に出かけるときに、「本屋さん」や「レコード屋さん」がなくなってしまったというのは、まったくもって、悲しいことだ。
人間、便利なだけじゃ、楽しめないし、行きていけない。


ただし、フォーブスの(3)の記事にもあるように、書籍店の経営が厳しいことには違いなく、また、(2)の記事にも言及されているように、そもそも、ABA(アメリカ書店協会)の会員数は2011年から古書籍店をも受け入れるようになり、それがこの統計数字に影響を与えているという指摘もあるようだ。(この点に関しては、ABAから詳細なデータが出されていないようで、真偽は不明なまま。フォーブスの記事にもこの点には言及がない)。

しかし、新しく新型の本屋さんをオープンし続けている事業者もいて、本屋さんの新しい生き方として芽が出ていることは間違いなさそうだ。
このムーブメントが大きく育って、僕らの町に、もっと文化的な楽しみが増えるように、と願ってやまない。

また、行きますね!
恵文社一乗寺店さん!

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