ICHIROYAのブログ

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このスプーンはいったい何に使うものでしょう!?(最新テクノロジーが可能にしたこととは?)

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なぜ、僕らは人が何か問題を抱えているとき、それを解決する方法はないものかと、本気で考えないのだろうか?
なぜ、僕らは人が何か問題を抱えているとき、それを解決するのは難しいと、すぐに諦めてしまうのだろうか?

このスプーンのことを知ったとき、またまた、感動してしまった。
このハンドルの大きなスプーンは、赤ちゃん用ではない。
素晴らしいハイテク商品で、このスプーンは1億人もの人々を救う可能性があるのだ。
さあ、ヒントは下の説明文付の写真である。
どのような機能があるのか、推理してみてほしい。


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このスプーンには、スタビライザーがついており、震える手で握っても、スプーンの先があまり動かないようになっているのだ。
なあんだ、じゃない。
続きをよく聞いてほしい。

これを発明したLift Labsのサイトによれば、アメリカ人のうち、本態性振戦(原因不明の不随意な体の震えを症状とする)を訴えるひとが1千万人、パーキンソン病の患者が200万人、合計1200万人がスプーンで食事をすることに、とても不便を感じている。
それをリアルに知るために、ぜひ、最後に貼った動画を見ていただきたいのだが、症状によっては、手が激しく震えてしまうために、スプーンにすくったものを口に運ぶことができない。途中で落としてしまうのだ。
そうなると、誰かと一緒に食事をすることも、レストランで食事をすることも、症状のない人のようには楽しめなくなる。

このスプーン(Liftware)を使うと、スタビライザーの入ったハンドル部分で振動を吸収し、スプーン先の振動は70%軽減できるという。
このスプーンを使えば、手が震えて人と食事ができない、と思っていた患者さんが、またその楽しみを取り戻すことができるのだ。
 

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スプーンの部分は取り外して、食器洗い機に入れることができる。
バッテリーは、充電式である。
295ドルと決して安くはないが、今後、この製品が売れて、スプーン以外のアタッチメントが発売されれば、もう少し手ごろな値段になってくるだろう。

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もちろん、日本にも手の震えで困っておられる方が多数いる。
Wikiによれば、本態性振戦の有病率は、およそ人口の2.5~10%とされており、高齢者に多い(40歳以上では4%、65歳以上では5~14%以上)。
また、厚生省の調査で、パーキンソン病患者は約13万9千人(平成20年)とされている。


こちらの販売サイト
によると現在予約受付中。12月中旬までに出荷するという。
残念ながら、販売は、アメリカ国内向けに限定されている。
なお、このスプーンは、振動の幅が5センチ以内の人に有効だそうだ(上の図にあるように親指を口元に持ってきて、震えの範囲が、鼻の下からあごのくぼみまで程度の場合)。

僕自身は、このスプーンを試したわけではなく、効果の保証も推奨もできない。
けれど、この製品が謳い文句通りに機能し、手の震えで困っておられるかたの役に立つことを祈って、日本での販売を待ちたいと思う。

それにしても・・・
手の震えで困っておられるかたが、そんなにたくさんおられて、それほどに困っておられるということを、リアルに想像したことがなかった。
知ったとしても、それが解決できるなどとは想像しなかっただろう。
そして、それが悩んでいる人の役に立つだけでなく、ビジネスの規模としても、かなり大きなマーケットであることも・・・