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ICHIROYAのブログ

元気が出る海外の最新トピックや、ウジウジ考えたこととか、たまに着物のこと! 

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「過去を振り返るな。前を向いて進め」は間違っていた!(ノスタルジアの効用に関する最新知見)

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「ノスタルジア」、過去を懐かしむことが、悪いことだと、いつの間に、僕らは思ってしまったのだろう。
「過去を振り返るな。前を向いて進め」こそが、成功の唯一のルールで、「ノスタルジア」に浸って許されるのは、人生の終盤、車椅子で散歩をさせてもらっているとき。
僕も、ずっと、そう思って生きてきた。

しかし、New York Timesに、こんな記事が載って、話題になっている。

What Is Nostalgia Good For? Quite a Bit, Research Shows
ノスタルジアは何に良いのか? 研究が明らかにしたこと


ちょっと長い記事なので、エッセンスだけ紹介すると、

*ノスタルジアは孤独を慰め、心配や退屈を和らげる効果がある

*人々を寛容にさせ、それを共有した人間の関係を深める

*7歳の子供もノスタルジアに浸るときがある。一般的には、ヤングアダルト時代と晩年にノスタルジアを感じることが多く、中年期には少し下火になる
*たいていの人は週に1回ノスタルジアに浸り、半分ぐらいの人たちは、週に2,3回、そういう機会を持つ。

*ノスタルジックなストーリーは、嫌な思い出から始まる事が多いが、たいてい、なんとかなって終わり、周囲の誰かに対する感謝の念を思い出させて終わる。それが、自分の帰属意識を高めてくれる

*懐かしい音楽が、ノスタルジアへの導入になることが多い。

*寒い日、寒い場所にいるときに、ノスタルジアを感じてしまうことが多い。そして、ノスタルジア的な回想をしている間、物理的に、体温も高くなる傾向があることがわかっている

*もちろん、悪い思い出を振り切ることができなくて、精神的に悪い効果をもたらすこともある

*ノスタルジアは、楽観的な、人生への肯定的な感覚を強める(それぞれの個人の人生がいかに無力なものかを書いたエッセイを読ませた被験者が悲観的になる度合いは、ノスタルジックな回想をしたあとで読んだ被験者のほうが少なかった) 


つまり、ここに書かれていることは、こういうことだ。
懐かしい個人的な体験の記憶は、自分の人生が、唯一無二の価値のあるもので、たくさんの人達に支えられてきたということを、ごく自然に教えてくれる。
それは、自分の存在意義を常に脅かす、神経症的なこの現代社会のなかで、自分を癒してくれる、最高の「特効薬」なのだ。
なんと、その「特効薬」は、細心の遺伝子操作や脳科学が作り出す新薬のなかにではなく、自分の中にあったのだった。

「過去を振り返るな。前を向いて進め」というアドバイスは間違いであった。
だって、たとえば僕は、「過去を振り返る」ことを、弱虫、怠惰の証と考えて、なるべく「過去を振り返らない」ように「振り返らない」ように生きてきたのだ。
そのおかげで、学生時代の写真などは、ちゃんと保管していないし、あえて思い出さないようにしていたので、多くの大切な思い出を、すでに失ってしまった。

「過去を振り返るな。前を向いて進め」ではなく、こう教えて欲しかった。
「辛くなったら、過去を振り返れ。そして、元気になったら、また、前を向いて進め!」と。




*僕のノスタルジア ちょっと気に入っている過去記事です。読んでくれたら嬉しい!
My Sweet Memory of Baseball ~ 甘酸っぱい野球の思い出


Photo by x-ray delta one